伊岡瞬の読む順番とおすすめランキング!真壁&宮下刑事シリーズも徹底解説

伊岡瞬の読む順番とおすすめランキング!真壁&宮下刑事シリーズも徹底解説

おすすめランキングTOP10から読む

多くのミステリーファンを唸らせる人気作家・伊岡瞬。読んでみたいけど「どれから読めばいいかわからない」「イヤミスって聞くけど、自分でも楽しめるかな?」と迷うかもしれません。

そこで、この記事では伊岡瞬作品の魅力や選び方、最適な読む順番をご案内します。

代表作や最高傑作との呼び声高い名作はもちろん、人気の「真壁&宮下刑事シリーズ」、最新作・ドラマ化作品についても、分かりやすく解説しています。

目次

【初心者向け】伊岡瞬作品 | おすすめの読む順番

【初心者向け】伊岡瞬作品 | おすすめの読む順番
イメージ:エンタメMAG

伊岡瞬作品の初めて読む方向けに、作風、代表作・映像化作品などから「最初の一冊」を選ぶためのおすすめのアプローチを紹介します。

プロフィールと作風・作品の特徴

伊岡瞬作品の世界に足を踏み入れる前に、作者のプロフィールと作品が持つ独特の魅力についてご紹介します。背景を知ることで、物語をより一層深く味わうことができます。

伊岡瞬(いおか しゅん)氏は1960年東京都生まれ。広告会社勤務を経て、2005年に『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞し、作家デビューしました。

伊岡作品の最大の特徴は、人間の心の奥底に潜む「闇」や「悪意」を徹底的に描き出す点にあり、読後に嫌な気分が残るミステリー、通称「イヤミス」の旗手として知られています。しかし、ただ後味が悪いだけでなく、巧みなストーリーテリングと衝撃の結末が待ち受けているため、強烈な中毒性を持っています。

「イヤミス」だけじゃない多様な魅力

「イヤミス」のイメージが強いですが、デビュー作のように希望を感じさせる作品や、学園ミステリー、ホラーサスペンスなど多彩なジャンルに挑戦しており、その引き出しの多さも大きな魅力です。

登場人物が極限まで追い詰められていく様は読んでいて辛くなることもあります。それでもページをめくる手が止まらなくなるのは、そこにリアルな人間の感情の機微が丁寧に描かれているからです。

おすすめランキングTOP10から読む

「まずは人気作品から読んでみたい」という方のために、売上やメディア化などを元にした独自ランキングで10作品ご紹介します。どの作品も伊岡瞬さんの魅力が凝縮されており、読み応えは抜群です。

1位:代償

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悪意は日常に潜む。少年時代、彼と出会った日から地獄は始まった。

作品内容・あらすじ
小学生の圭輔は、不幸な事故を機に遠縁の達也と暮らすことになる。しかし達也は、他人を不幸に陥れることを喜ぶ悪意の化身であった。時を経て弁護士となった圭輔のもとに、逮捕された達也から弁護依頼が舞い込む。これは罠か。圭輔は過去と対峙することを決意する。

見どころ・注目ポイント
息が詰まるほどの緊張感が続く法廷での攻防が圧巻です。読んでいて辛くなるほどの「イヤミス」でありながら、ページをめくる手が止まらない圧倒的なリーダビリティはまさに代表作。伊岡作品の真髄を味わいたいなら、まずこの一冊をおすすめします。

出版年2014年
小説ジャンル法廷サスペンス / イヤミス
受賞2016年 啓文堂書店文庫大賞
メディア化2016年 Huluオリジナルドラマ(主演:小栗旬)
Audible配信

2位:悪寒

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信じていた妻の逮捕。平凡な家族に隠された、あまりに切ない罪の真相。

作品内容・あらすじ
大手製薬会社勤務の藤井賢一は、理不尽な左遷で山形へ単身赴任する。ある夜、東京の妻から不可解なメールが届いた数時間後、妻が賢一の上司を殺害した容疑で逮捕されたと知る。愛する妻を信じ真相を追うが、その先には絶望的な事実が待ち受けていた。

見どころ・注目ポイント
二転三転する予測不能な展開に、最後まで真相が読めません。巧みに張り巡らされた伏線が一つに繋がったとき、タイトルの意味が明らかになり、その切なさに胸が締め付けられます。重厚な家族ドラマとしても一級品の完成度を誇ります。

出版年2017年
小説ジャンル長編ミステリー / 警察小説
真壁&宮下刑事シリーズ(2)
受賞2019年 啓文堂書店文庫大賞

3位:本性

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その女、天使か悪魔か。関わる男を必ず破滅させる、謎の女の正体とは。

作品内容・あらすじ
40歳独身の尚之は、お見合いパーティで「サトウミサキ」と出会い、彼女の虜になる。一方、刑事の宮下はある焼死事件を追ううち、事件の裏に潜む謎の女の存在に気づく。複数の視点で語られる物語が、やがて「サトウミサキ」という一点で交錯し、驚愕の真実が明らかになる。

見どころ・注目ポイント
魔性の女「サトウミサキ」のキャラクターが非常に強烈です。複数の物語が同時進行し、後半で一気に伏線が回収されていく構成は見事の一言。ただの悪女物語では終わらない、人間の「本性」をえぐるような結末に戦慄すること間違いなしです。

出版年2018年
小説ジャンルサスペンス / 警察小説
真壁&宮下刑事シリーズ(3)

4位:痣

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亡き妻の体に遺された印。それは、新たな連続殺人の幕開けだった。

作品内容・あらすじ
妻を殺された過去から立ち直れず、刑事を辞める決意をしていた真壁修。辞職間近、管内で発生した猟奇殺人事件の被害者には、亡き妻の痣と酷似した印が刻まれていた。これは偶然か、挑発か。真壁は若手刑事の宮下と共に、再び事件の闇へと立ち向かう。

見どころ・注目ポイント
人気の「真壁&宮下刑事シリーズ」の原点となる一作です。過去と現在の事件が交錯し、複雑に絡み合う謎が読者をぐいぐいと引き込みます。最高のバディが誕生する瞬間を見届けることができる、警察小説ファン必読の傑作です。

出版年2016年
小説ジャンル警察小説 / 真壁&宮下刑事シリーズ(1)
受賞2020年 第6回徳間文庫大賞

5位:不審者

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「あなたの兄です」――その男が現れてから、私たちの日常は壊れ始めた。

作品内容・あらすじ
主婦・里佳子の家に、夫が20年以上前に生き別れたという兄・優平を連れてくる。優平を居候させることになって以来、里佳子の周囲で不可解な出来事が多発する。果たして彼は何者なのか。平和だったはずの家族の日常が、静かに、しかし確実に蝕まれていく。

見どころ・注目ポイント
じわじわと家庭が崩壊していく過程が恐ろしく、息苦しいほどのサスペンスが味わえます。物語に張り巡らされた巧みな叙述トリックに、多くの読者が騙されるはず。日常に潜む恐怖を描いた、伊岡作品の真骨頂ともいえる一冊です。

出版年2019年
小説ジャンルサスペンス / ミステリー

6位:赤い砂

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なぜ彼らは死ななければならなかったのか。自殺の連鎖が暴く、巨大な罪。

作品内容・あらすじ
電車への飛び込み自殺が発生。その現場に関わった鉄道運転士や警察官が、次々と不可解な錯乱状態に陥り、自ら命を絶ってしまう。親友を亡くした刑事の永瀬は、この自殺の連鎖に疑問を抱く。やがて、ある大手製薬会社に届いた脅迫状が、事件を新たな局面へと導く。

見どころ・注目ポイント
社会の闇に鋭く切り込んだ、骨太な警察捜査小説です。やるせない現実と、それでも真実を追い求める刑事たちの執念が胸を打ちます。単純な勧善懲悪では終わらない、伊岡瞬ならではの重厚な読後感を味わうことができます。

出版年2020年
小説ジャンル警察小説 / 社会派ミステリー

7位:いつか、虹の向こうへ

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負け犬たちが起こす、優しくも悲しい一つの奇蹟。記念すべきデビュー作。

作品内容・あらすじ
ある事件を機に職も妻も失った元刑事の尾木遼平。彼は売りに出している家で、3人の居候と奇妙な同居生活を送っていた。そんな彼の元へ、新たな居候として家出少女・早希が転がり込んでくる。彼女は、厄介な殺人事件を一緒に連れてきてしまう。

見どころ・注目ポイント
伊岡瞬さんの記念すべきデビュー作であり、横溝正史ミステリ大賞受賞作です。「イヤミス」とは一線を画す、ハードボイルドな中にも温かさと希望が感じられる作風が特徴。伊岡作品の原点として、ぜひ読んでおきたい一冊です。

出版年2005年
小説ジャンルミステリー / ハートフル
受賞第25回横溝正史ミステリ大賞
メディア化2005年 テレビ東京系ドラマ(主演:石田純一)

8位:奔流の海

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20年前の悲劇と現在の出会い。運命が交錯する、慟哭の青春ミステリー。

作品内容・あらすじ
1968年、豪雨が小さな町を襲い、土砂崩れに有村一家が巻き込まれる。それから20年後。旅館を営む清田母娘の前に、坂井裕二と名乗る大学生が現れる。彼はなぜこの町に来たのか。20年前の悲劇と彼の訪問が繋がるとき、運命の奔流がすべてを飲み込んでいく。

見どころ・注目ポイント
伊岡作品史上、最も残酷で美しい」と評される、切ない青春ミステリーです。過去と現在が巧みに交錯し、ラストに向かって一気に物語が加速していきます。驚愕と慟哭の結末は、あなたの心に深い余韻を残すことでしょう。

出版年2022年
小説ジャンル青春ミステリー

9位:乙霧村の七人

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閉ざされた村で繰り返される惨劇。横溝正史を彷彿とさせるホラーサスペンス。

作品内容・あらすじ
かつて惨殺事件が起きた乙霧村。その事件を題材にした小説をきっかけに、大学の文学サークルが村を訪れる。しかし、作中と同じように大雨で孤立した彼らを、斧を持つ謎の男が襲い始める。これは22年前の事件の模倣か、それとも…。

見どころ・注目ポイント
横溝正史作品へのオマージュが感じられる、クローズドサークルでのホラーサスペンスです。次々と仲間が殺されていく極限状況での緊迫感がたまりません。「イヤミス」とはまた違った、ストレートな恐怖を味わえる異色作です。

出版年2014年
小説ジャンルホラーサスペンス

10位:朽ちゆく庭

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不倫、不登校、殺人事件。一つの家族が、音を立てて崩壊していく。

作品内容・あらすじ
高級住宅街に暮らす山岸家。しかしその内情は、父は不倫、母も不倫、息子は不登校と、崩壊寸前であった。ある日、息子が公園で出会った少女を家に連れ帰るが、翌日、少女は死体となって発見される。息子は「自分がやった」と供述するが、その裏には家族の歪な秘密が隠されていた。

見どころ・注目ポイント
『悪寒』『不審者』に続く「家族崩壊三部作」の完結編とも言える作品です。登場人物それぞれが秘密を抱え、誰にも共感できない状況が続きます。人間のエゴや醜さがこれでもかと描かれる、まさに伊岡瞬らしいサスペンスです。

出版年2022年
小説ジャンル長編サスペンス / 家族ドラマ

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人気のシリーズ作品から読むのが王道

どの作品から読むべきか迷ったら、まずは人気のシリーズ作品から入るのが王道の楽しみ方と言えるでしょう。一作だけでは味わいきれない、キャラクターたちの成長や葛藤、そして変化していく関係性がシリーズ作品の魅力です。

特に、「警察小説」は伊岡作品の中でも高い人気を誇り、入門向けとしておすすめです。

真壁&宮下刑事シリーズ

伊岡作品の中核をなす最も人気の高いシリーズです。過去に最愛の妻を殺害されたという深いトラウマを抱え、一匹狼として捜査に臨むベテラン刑事・真壁修。そして、エリートでありながら現場を愛し、冷静な洞察力と内に秘めた熱い正義感を持つ若手刑事・宮下真人。この対照的な二人がコンビを組み、時に反発し、時に信頼し合いながら難事件に挑む姿が描かれます。

各作品は独立した事件を扱っていますが、時系列順に読むことで、ぎこちなかった二人の関係が強固な信頼関係へと深化していく過程をより深く楽しむことができます。

真壁&宮下刑事シリーズとそれぞれの登場作品

スクロールできます
作品名刊行年(単行本)真壁 修宮下 真人備考
『痣』2016年
(主人公)

(相棒)
二人の出会いの物語。シリーズの原点。
『悪寒』2017年
(サブ)

(サブ)
主人公は別におり、二人は事件の捜査担当として登場。
『本性』2018年×
(登場しない)

(主人公)
宮下が主人公の一人。本作では安井刑事とコンビを組む。
『仮面』2021年
(名前のみ)

(主人公)
宮下が主人公の一人。本作では小野田警部補とコンビを組む。
『水脈』2024年
(主人公)

(主人公)
『痣』の正式な続編。再び二人がメインコンビとなる。

ドラマ・映画などメディア化作品から選ぶ

「まずは物語の全体像を気軽に掴みたい」という方には、映像化された作品から入るのも一つの方法です。緊張感あふれるドラマチックな展開から映像化との相性も抜群で、これまでに2作品が実写化されています。

代償 (2016年)

伊岡さんの代表作『代償』は、2016年に動画配信サービスHuluのオリジナルドラマとして全6話で配信されました。主人公の弁護士・奥山圭輔役を実力派俳優の小栗旬さんが熱演し、彼を地獄に突き落とすサイコパスな男・安藤達也役を高橋努さんが怪演しています。

原作の持つ息苦しいほどの緊張感と、人間の悪意が生み出す衝撃的な展開が見事に映像化されており、特に後半の法廷シーンは圧巻です。ドラマを観てから原作を読むと、登場人物のイメージがより鮮明になり、細かな心理描写を深く味わうことができるでしょう。

約束 いつか、虹の向こうへ (2005年)

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記念すべきデビュー作『いつか、虹の向こうへ』は、横溝正史ミステリ大賞の受賞直後である2005年に、テレビ東京系の人気ドラマ枠「水曜ミステリー9」で放送されました。

主人公の元刑事・尾木遼平役を石田純一さんが演じています。妻も職も失った男と、彼のもとに転がり込んできた家出少女、そして奇妙な同居人たちが織りなす、少しハートフルで切ないミステリーです。この作品に触れることで、伊岡作品の代名詞である「イヤミス」とは異なる、初期の作風や温かい一面を知ることができます。

伊岡瞬作品 | 読む順番とシリーズ作品をもっと詳しく!

伊岡瞬作品 | 読む順番とシリーズ作品をもっと詳しく!
イメージ:エンタメMAG

伊岡作品の基本的な魅力やおすすめ作品に触れたところで、ファンからの人気が特に高いシリーズ作品の深掘りや、全作品を網羅的に楽しむための情報をまとめます。

真壁刑事シリーズの時系列と読む順番

伊岡瞬作品の中でも、重厚な物語と魅力的なキャラクターで特に高い人気を誇るのが、元警視庁捜査一課の敏腕刑事・真壁修が主人公、または主要人物として登場する一連の警察小説です。

自然な流れで楽しみたい方には、以下の「刊行順」で読み進めることをおすすめします。

真壁刑事シリーズ おすすめの読む順番(刊行順)

読む順番
(時系列)
刊行年簡単なあらすじ
1. 2016年最愛の妻を殺害された過去を持つ刑事・真壁修。辞職間際に発生した連続殺人事件の被害者には、亡き妻と同じ場所に同じ形の痣が刻まれていた。これは偶然か、挑発か。若手刑事の宮下と共に、彼は再び事件の闇と対峙する。
2. 悪寒2017年理不尽な左遷で単身赴任中の藤井賢一。ある日、東京の妻が上司を殺害した容疑で逮捕される。信じるべき家族に隠された衝撃の真実とは何か。事件の捜査担当として、真壁と宮下が真相に迫る。
3. 水脈2024年『痣』の正式な続編として刊行された作品。再び真壁刑事と宮下刑事がメインのコンビとして、難事件の捜査にあたる。

『仮面』:本作は主に宮下刑事が捜査を担当しており、真壁刑事は「名前のみ」の登場(カメオ出演)とされています。
『代償』:本作の主人公は弁護士であり、真壁刑事は登場しません。ただし、『代償』に登場する白石弁護士が『悪寒』にも登場するなど、世界観を共有するクロスオーバー作品とは言えます。

時系列の出発点である『痣』では、心に深い傷を負った真壁刑事と、後の最高の相棒となる若き宮下刑事との運命的な出会いが描かれます。この作品で彼らのキャラクターや関係性の原点を掴んでから他の作品を読むと、より一層感情移入しやすくなるでしょう。

もちろん、シリーズはそれぞれ独立した難事件を扱っているため、あらすじを読んで最も気になった作品から手に取っても、その面白さが損なわれることはありません。

宮下刑事シリーズの登場作品 まとめ

影のあるベテラン刑事・真壁修と並んで、伊岡作品の世界観を横断して活躍し、物語に深みを与えているのが若手エリート刑事の宮下真人です。彼は単なる真壁の相棒という枠に収まらず、時には主人公として物語を牽引することもある、ファンからの人気が非常に高いキャラクターです。そのため、彼が登場する作品群を「宮下刑事シリーズ」と呼ぶこともできるでしょう。

宮下刑事は、複数の言語を操る頭脳明晰なエリートでありながら、決して驕ることなく現場での地道な捜査を厭わない真摯さを持っています。その透明感あふれる飄々とした佇まいの裏に、強い正義感と行動力を秘めており、シリアスな伊岡作品の世界において、一筋の光のような存在感を放っています。彼の成長や活躍を追いかけて作品を読み進めるのも、伊岡作品の大きな楽しみ方の一つです。

宮下刑事が登場する主要作品リストと彼の役割

  • :シリーズ初登場。奥多摩分署で、心を閉ざした真壁刑事と出会い、その後の運命を共にする相棒となる。若々しさとひたむきさが光る。
  • 悪寒:傷害致死事件の捜査担当として登場。真壁と共に地道な聞き込みを重ね、複雑な事件の真相に迫っていく。
  • 本性:本作ではメインの捜査官の一人。一匹狼のベテラン刑事・安井の相棒として、謎の女が関わる焼死事件を粘り強く捜査する。
  • 仮面:女性上司である小野田警部補と共に、主婦失踪事件と白骨死体の謎に挑む。彼の捜査官としての成長が感じられる一作。
  • 水脈:『痣』の正式な続編。再び真壁刑事とコンビを組み、暗渠から発見された遺体の謎という難事件に立ち向かう。

特に『本性』や『仮面』では、宮下刑事が中心的な役割を担って物語を牽引しており、彼の捜査官としての優秀さと、時折見せる人間味あふれる姿を堪能することができます。

シリーズ最新刊「水脈」も要チェック

2024年2月に刊行された『水脈』は、伊岡瞬作品ファンにとって待望の一冊となりました。なぜならこの作品は、あの名コンビの原点である傑作警察小説『痣』の正式な続編として執筆されており、「真壁&宮下刑事シリーズ」の最新作と明確に位置づけられているからです。

『水脈』は単独の作品としても十分に完成度の高いミステリーですが、その魅力を最大限に味わうためには、先にシリーズの出発点である『痣』を読んでおくことをおすすめします。

『痣』で描かれた事件が、真壁という刑事の心にどれほど深い傷を残したかを知っておくことで、『水脈』での彼の言動一つ一つの重みが全く違って感じられるからです。そして、二人の間に流れる多くを語らずとも通じ合う空気感の理由も、より深く理解できるはずです。

『痣』から年月を経て、それぞれが異なる道を歩んできた二人の刑事がどのように難事件を解決に導くかが見どころです。

ファンが選ぶ最高傑作・代表作は?

しいて候補を挙げるなら『代償』『悪寒』『本性』『痣』の4作!

ファンの間では、「どの作品が一番面白いか?」「最高傑作はどれか?」というのも気になるポイント。ただ、答えを一つに絞るのは難しいです。

それでも、多くの声が挙がる作品として、『代償』の存在は外せません。読者を徹底的に突き落とす前半の過酷な展開と、それを乗り越えようとする主人公の不屈の精神、そして後半の法廷での手に汗握る攻防は、まさに圧巻の一言に尽きます。「イヤミスの金字塔」として、後味の悪さと面白さが見事に両立した本作を最高傑作に挙げるファンが最も多いと言えるでしょう。

一方で、巧みな伏線回収の妙を評価するファンからは、『悪寒』を推す声が根強くあります。物語の随所に散りばめられた謎や違和感が、ラストで一気に収束していくカタルシスは格別です。また、崩壊していく家族の絆という普遍的なテーマも描かれており、その切ない結末に心を揺さぶられた読者も少なくありません。

他にも、関わる人間を必ず破滅させる悪女「サトウミサキ」のキャラクターが強烈な『本性』や、警察小説としての完成度とシリーズの原点としての価値が高い『痣』なども、最高傑出作の候補として頻繁に名前が挙がります。どの作品も甲乙つけがたい魅力を持っています。

全作品一覧を出版順でチェック

さらに深掘りしたい読者向けに、全単行本作品を出版順にまとめました。デビュー作から順に読むと、作風の変化やテーマの深化が分かり、作家理解が深まります。

購入時の注意点:文庫化による改題

伊岡瞬さんの作品は、数年後に出版される文庫版において、単行本からタイトルが変更されることがよくあります。内容は同じですので、間違えて同じ作品を二度購入してしまわないように、下の表でタイトルをよく確認することをおすすめします。

刊行年タイトル(単行本)文庫タイトル(改題)ジャンル
2005年いつか、虹の向こうへミステリー / ハートフル
2006年145gの孤独ミステリー / ヒューマンドラマ
2008年七月のクリスマスカード瑠璃の雫サスペンス / ミステリー
2010年明日の雨は。教室に雨は降らない連作短編ミステリー / 学園
2012年桜の咲かない季節桜の花が散る前に連作短編ミステリー / 恋愛
2014年代償法廷サスペンス / イヤミス
2014年もしも俺たちが天使ならミステリー / アクション
2014年乙霧村の七人ホラーサスペンス
2015年ひとりぼっちのあいつ祈りヒューマンドラマ / ファンタジー
2016年警察小説 / 真壁&宮下刑事シリーズ
2017年悪寒長編ミステリー / 警察小説/ 真壁&宮下刑事シリーズ
2018年本性サスペンス / 警察小説 / 宮下刑事シリーズ
2018年冷たい檻サスペンス / 社会派ミステリー
2019年不審者サスペンス / ミステリー
2020年赤い砂(文庫オリジナル)警察小説 / 社会派ミステリー
2021年仮面サスペンス / 宮下刑事シリーズ
2022年奔流の海青春ミステリー
2022年朽ちゆく庭長編サスペンス / 家族ドラマ
2022年白い闇の獣(文庫オリジナル)社会派ミステリー
2023年残像(文庫オリジナル)サスペンスミステリー
2023年清算経済ミステリー
2024年水脈警察小説 / 真壁&宮下刑事シリーズ
2024年翳りゆく午後ミステリー / 家族ドラマ

まとめ:伊岡瞬作品の読む順番はこれ!

人気ミステリー作家・伊岡瞬の「読む順番」を網羅的に解説しました。作風は強烈な「イヤミス」から心温まるドラマ、骨太な警察小説まで多彩です。

読む順番に迷う場合は、まず代表作で最高傑作と名高い『代償』から手に取るのがおすすめ。ドラマなどメディア化作品から入るのも良い方法です。

伊岡作品の醍醐味である人気シリーズを追う楽しみ方もあり、特に「真壁&宮下刑事シリーズ」は、紹介した時系列順で読むと、関係性の変化をより深く味わえます。

  • 伊岡瞬は人間の闇を描く「イヤミス」の旗手だが、ハートフルな作品もあり作風は多彩
  • 初心者にはまず代表作『代償』が、衝撃的な面白さを体感できるため最もおすすめ
  • 人気の真壁刑事シリーズは、時系列順『痣』→『悪寒』→『水脈』で読むと没入感が深まる
  • 2024年刊行の『水脈』は『痣』の正式な続編であり、シリーズファンは必読の一冊
  • 作品が文庫化される際にタイトルが変更されることがあるため、購入時には注意が必要
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この記事を書いた人

「エンタメMAG」は、ミステリー小説や時代小説など小説全般をはじめ、映小説や映画・ドラマなどを取り扱うエンタメブログです。話題の作品紹介やレビューに加え、「作家やシリーズ作品の読む順番」 といった役立つ情報をまとめています。元古本屋店員、Audible歴4年(聴き放題制以降前から)のオーディオブック愛好者で、耳で楽しむ読書「オーディブル」に関する情報も豊富に発信しています。

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