赤いシリーズの順番を解説。全作あらすじとキャスト・視聴方法も紹介

赤いシリーズの順番と作品一覧

1970年代、日本中のお茶の間を釘付けにした伝説のドラマ「赤いシリーズ」。その衝撃的なストーリー展開と豪華キャストの熱演は、今なお多くの人々の記憶に深く刻まれています。赤いシリーズの順番が気になって、改めて全作品を振り返りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、社会現象を巻き起こしたこのドラマシリーズについて、赤いシリーズ 第一弾から最終作までの全シリーズ一覧・あらすじと、豪華な全シリーズ一覧・キャストを放送順に詳しく、そして深く掘り下げて解説します。シリーズの顔である山口百恵の出演作や、ミリオンセラーを記録した主題歌の魅力にも焦点を当てていきます。

白血病バレエといった記憶に残るテーマを扱った作品や、「最高傑作は?」というファンの疑問にもお答えします。さらに、現在の再放送情報や、配信DVD・レンタルでの視聴方法まで、今「赤いシリーズ」を楽しむための情報を網羅しました。ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かること
  • 赤いシリーズ全10作品の放送順がわかる
  • 各作品のあらすじと主要キャストを把握できる
  • 山口百恵の出演作やシリーズの名作がわかる
  • 再放送や配信など現在の視聴方法がわかる

目次

赤いシリーズの順番と作品一覧

赤いシリーズの順番と作品一覧
イメージ画像:エンタメMAG
  • 赤いシリーズ 第一弾「赤い迷路」
  • 全シリーズ一覧・あらすじを紹介
  • 全シリーズ一覧・キャストを解説
  • 山口百恵が出演した作品は?
  • 白血病がテーマの「赤い疑惑」
  • バレエが題材の「赤い激突」
  • 最高傑作は?シリーズの人気作

赤いシリーズ 第一弾「赤い迷路」

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「赤いシリーズ」の記念すべき第一弾は、1974年10月4日から放送された『赤い迷路』です。この作品は、後にシリーズの代名詞となる「過酷な運命に翻弄されるヒロイン」という路線とは少し趣が異なり、サスペンス色が非常に強い本格ミステリードラマとして制作されました。

物語の中心となるのは、シリーズを通して重要な役割を担うことになる名優・宇津井健。彼が演じる精神科医・結城の妻が殺害され、その容疑者として、当時若手俳優として強烈な個性を放っていた松田優作演じる都築が浮上します。そして、事件の謎を追ううちに、結城の一人娘・明子(当時15歳の山口百恵)に隠された「出生の秘密」が明らかになっていくという、重厚なストーリーが展開されます。

主演の宇津井健、アイドルとして人気が出始めたばかりの山口百恵、そして『太陽にほえろ!』でジーパン刑事を演じ人気を博した松田優作。今では考えられないほど豪華なキャスティングが、この時点で実現していたのです。

『赤い迷路』の歴史的価値

山口百恵と松田優作という、昭和を代表する二人のカリスマが共演した唯一の連続ドラマとして、日本のテレビドラマ史においても非常に価値の高い作品です。後のシリーズで繰り返し描かれる「過酷な運命」や「出生の秘密」といったテーマの原点が、このサスペンスフルな物語の中に確かに存在しています。

まだあどけなさが残る山口百恵の繊細な演技と、松田優作のスクリーンを圧するほどのエネルギーがぶつかり合う様は必見です。この作品の商業的な成功と高い評価がなければ、後に続く「赤いシリーズ」という一大ムーブメントは生まれなかったでしょう。

「赤」と「白」のシリーズ名の由来

ちなみに、本シリーズ以前に放送されていた田宮二郎主演の「白いシリーズ」(『白い滑走路』など)も人気を博していました。メインスポンサーであったサントリーの意向で、ワインの色である「白」と「赤」がシリーズ名に採用されたという逸話は、テレビ業界では有名です。


全シリーズ一覧・あらすじを紹介

「赤いシリーズ」は、1974年の『赤い迷路』から1980年の『赤い死線』まで、スペシャル版を含めて全10作品が制作されました。ここでは、全シリーズの放送された順番と、各作品のあらすじを、より詳しくご紹介します。

どの作品も「出生の秘密」や「過酷な運命」「ありえない偶然」といった、制作会社である大映テレビならではの衝撃的なテーマを扱いながら、その根底には一貫して普遍的な家族愛や純愛が描かれています。

各作品が独立したストーリーでありながら、シリーズ全体を貫くテーマ性を持っているのが大きな特徴です。どの順番から見ても楽しむことはできますが、やはり放送順に視聴することで、制作スタイルの変遷やキャストの成長なども感じ取ることができ、より深くシリーズの世界に浸れるでしょう。

【1】赤い迷路

画像引用元:赤い迷路|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1974年10月~1975年3月

あらすじ:精神科医の結城正人(宇津井健)の妻・妙子がモーテルで惨殺される事件が発生。容疑者として、心を閉ざした青年・都築潤(松田優作)が浮上します。結城は事件の真相を追いながら、一人娘の明子(山口百恵)に隠された衝撃の出生の秘密と向き合うことになります。父と娘の絆、そして事件の裏に隠された複雑な人間関係が交錯する、シリーズの原点にして本格的なサスペンスドラマです。

【2】赤い疑惑

画像引用元:赤い疑惑|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1975年10月~1976年4月

あらすじ:大学病院の爆発事故で放射線を浴び、白血病という不治の病に侵された女子高生・大島幸子(山口百恵)。彼女を献身的に支える父・茂(宇津井健)と、次第に惹かれ合っていく医大生・相良光夫(三浦友和)との純愛。しかし、2人には「父親が同じ異母兄妹」というあまりにも過酷な運命が待ち受けていました。社会現象を巻き起こした、涙なくしては見られないシリーズ最大のヒット作です。

【3】赤い運命

画像引用元:赤い運命|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1976年4月~1976年10月

あらすじ:伊勢湾台風で生き別れになった二人の少女。一人は、殺人犯・島崎栄次(三國連太郎)の娘として、検事・吉野信人(宇津井健)の家庭に引き取られてしまいます。本来は吉野検事の実の娘である彼女(山口百恵)は、数奇な運命に翻弄されながらも、実の父が追う事件の真相へと近づいていきます。検事と殺人犯、二つの家庭の運命が交錯する重厚な人間ドラマです。

【4】赤い衝撃

画像引用元:赤い衝撃|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1976年11月~1977年5月

あらすじ:陸上界の未来を嘱望されたスプリンター・大山友子(山口百恵)。しかし、彼女は父を狙った犯人を追う刑事・新田秀夫(三浦友和)の銃弾を誤って受けてしまい、下半身不随となってしまいます。一度は絶望の淵に立たされた友子が、秀夫の献身的な愛に支えられ、車椅子バスケットボールなどで再び生きる希望を見出していく、感動の純愛物語です。

【5】赤い激流

画像引用元:赤い激流|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1977年6月~1977年11月

あらすじ:天才的なピアノの才能を持つ青年・田代敏夫(水谷豊)は、父親殺しの濡れ衣を着せられてしまいます。彼は無実を証明するため、執拗な追跡をかわしながら逃亡を続けます。音楽大学の助教授・大沢武(宇津井健)は、敏夫の才能を信じ、彼を追いながらもその成長を見守ります。師弟愛と親子愛、そして音楽への情熱が激しくぶつかり合う、シリーズ最高視聴率を記録した傑作サスペンスです。

【6】赤い絆

画像引用元:赤い絆|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1977年12月~1978年6月

あらすじ:「赤線(売春街)で生まれた」という出自を知り、養父母の家を飛び出して不良となった少女・恵子(山口百恵)。彼女はエリート外交官の志摩信夫(国広富之)と運命的な恋に落ちますが、2人の前には様々な障壁が立ちはだかります。さらに恵子は、実の父親が企てる壮大な復讐計画の駒として利用されてしまい、愛と運命の間で苦悩します。

【7】赤い激突

画像引用元:赤い激突|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1978年6月~1978年12月

あらすじ:バレエ団を率いる大谷夫妻(宇津井健、松尾嘉代)は、突然の交通事故に見舞われます。夫は軽傷で済みますが、妻は意識不明の植物状態に。回復の見込みがない妻を前に、夫は「安楽死」という生命倫理に関わる究極の選択を迫られます。事故の裏に隠された陰謀や家族の秘密も絡み合い、一家は崩壊の危機に瀕します。

【8】赤い嵐

画像引用元:赤い嵐|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1979年11月~1980年3月

あらすじ:警察官の大野真(柴田恭兵)は、物体を動かす超能力(サイコキネシス)を持っていました。ある日、彼は記憶喪失の謎の美少女・しのぶ(能瀬慶子)と出会い、彼女を保護します。しかし、しのぶが関わる殺人事件をきっかけに、真はその能力ゆえに警察からも追われる身となってしまいます。SFの要素を取り入れた異色のサスペンスです。

【9】赤い魂

画像引用元:赤い魂|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1980年4月~1980年9月

あらすじ:外科医・立花(杉浦直樹)の一人娘が腎臓病を患い、腎臓移植が必要になります。しかし、適合検査の過程で、娘が自分たちの実の子ではないことが判明。娘の命を救うため、立花は本当の両親を探し始めますが、その過程で平和だった家庭は崩壊し、複雑な人間関係が浮き彫りになっていきます。

【10】赤い死線

画像引用元:赤い死線|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル – TBS

放送期間:1980年11月7日、14日

あらすじ:山口百恵の芸能界引退を記念して制作された、前後編のスペシャルドラマ。都会のディスコでダンサーとして働く良子(山口百恵)は、同郷の青年・明夫(三浦友和)と出会い、共に故郷へ帰ることを決意します。しかし、帰郷前夜に殺人事件に巻き込まれ、2人は容疑者として追われることに。自らの手で無実を証明するため、彼らは真犯人を追います。


全シリーズ一覧・キャストを解説

「赤いシリーズ」の抗いがたい魅力は、奇抜で衝撃的なストーリーだけでなく、それを説得力のある人間ドラマに昇華させた豪華なキャスト陣の熱演にもあります。ここでは、各作品の主要なキャストを改めて一覧でご紹介します。

作品名主演主な出演者
【1】赤い迷路宇津井健山口百恵、松田優作、長山藍子、中野良子
【2】赤い疑惑宇津井健山口百恵、三浦友和、岸惠子、八千草薫、渡辺美佐子
【3】赤い運命宇津井健山口百恵、三國連太郎、秋野暢子、岸田今日子、志村喬
【4】赤い衝撃山口百恵三浦友和、中条静夫、草笛光子、田村高廣、宇津井健
【5】赤い激流宇津井健水谷豊、松尾嘉代、石立鉄男、緒形拳、岸惠子
【6】赤い絆山口百恵国広富之、石立鉄男、左幸子、岡まゆみ
【7】赤い激突宇津井健松尾嘉代、国広富之、坂口良子、石立鉄男、岸惠子
【8】赤い嵐柴田恭兵能瀬慶子、淡島千景、石立鉄男、緒形拳、松村達雄
【9】赤い魂杉浦直樹浜田朱里、広岡瞬、石立鉄男、司葉子、吉行和子
【10】赤い死線山口百恵三浦友和、石立鉄男、三國連太郎、宇津井健

シリーズを象徴する俳優たち

シリーズを通して、何度も登場することで「赤いシリーズの顔」とも言える存在となった俳優たちがいます。彼らの存在が、シリーズ全体に一貫したトーンと安定感をもたらしました。

  • 宇津井健
    全10作中8作品に出演し、その多くで主演を務めました。特にシリーズ前半では、過酷な運命に翻弄される娘を、深い愛情で包み込み、時には厳しく導く「理想の父親」像を確立。彼の誠実でクリーンなイメージが、どんなに荒唐無稽なストーリー展開にもリアリティと感動を与え、シリーズの精神的支柱となりました。
  • 山口百恵・三浦友和
    言わずと知れた「ゴールデンコンビ」。『赤い疑惑』での初共演をきっかけに、恋人役として視聴者を魅了し続けました。ドラマの中での純愛は、やがて実生活での恋愛、そして結婚へと発展し、日本中がその動向に注目しました。彼らの存在そのものが、シリーズの大きな魅力であったことは間違いありません。
  • 石立鉄男
    シリーズ後半の6作品に連続出演。『赤い激流』から最終作『赤い死線』まで、主人公の協力者や後見人といった重要な役どころで登場し、物語に温かみとユーモア、そして安定感をもたらしました。彼の存在が、シリアスな物語の良いアクセントになっています。
  • 岸惠子
    当時フランス・パリ在住だった彼女は、『赤い疑惑』『赤い激流』『赤い激突』の3作品に特別ゲストとして出演。物語の鍵を握るミステリアスな女性を演じ、その圧倒的な存在感と国際的な雰囲気で、ドラマに格調高さとスケール感を与えました。

他にも、三國連太郎、緒形拳、志村喬といった映画界の大御所から、国広富之、水谷豊、柴田恭兵といった後のスター俳優まで、多彩な顔ぶれがシリーズを彩っています。


山口百恵が出演した作品は?

「赤いシリーズ」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、山口百恵の姿でしょう。トップアイドルとして歌謡界の頂点に君臨していた彼女は、このシリーズで女優としての才能を一気に開花させ、その人気を不動のものとしました。

彼女がシリーズの中で出演したのは、以下の計7作品にのぼります。

山口百恵 出演作品リスト【計7作品】

  • 【1】赤い迷路(1974年):ヒロイン・結城明子 役
  • 【2】赤い疑惑(1975年):ヒロイン・大島幸子 役
  • 【3】赤い運命(1976年):ヒロイン・島崎いづみ 役
  • 【4】赤い衝撃(1976年):主演・大山友子 役
  • 【5】赤い激流(1977年):特別出演・田代弓子 役
  • 【6】赤い絆(1977年):主演・小島恵子 役
  • 【10】赤い死線(1980年):主演・川波良子 役

シリーズ初期の3作品では、宇津井健演じる父親の娘役(ヒロイン)として、不幸な生い立ちや病気に苦しむ薄幸な少女を熱演しました。そして人気が最高潮に達した1976年、シリーズ第4作『赤い衝撃』で初めて単独主演を果たします。その後も主演作が続き、シリーズ最終作となった『赤い死線』は、彼女の芸能界引退記念作品として、結婚式の直前に放送され、有終の美を飾りました。

女優・山口百恵の成長の軌跡

シリーズを放送順に見ていくと、15歳で『赤い迷路』に出演したあどけない少女が、作品を重ねるごとに表現力を増し、一人の女優として見事に自立していく成長の軌跡をたどることができます。『赤い絆』では不良少女というそれまでとは異なる役柄に挑戦するなど、常に新しい顔を見せてくれました。これは、「赤いシリーズ」のもう一つの大きな見どころと言えるでしょう。

悲劇のヒロインから、自らの運命を切り開こうとする強い女性まで、様々な役柄を見事に演じきった彼女の姿は、引退から40年以上が経過した今なお、鮮烈な印象を残しています。


白血病がテーマの「赤い疑惑」

シリーズ第2作の『赤い疑惑』は、「赤いシリーズ」の人気を不動のものにし、テレビ史に残る社会現象を巻き起こした金字塔的な作品です。本作が取り上げたテーマは、1970年代当時、多くの人にとって「不治の病」「死の病」というイメージが強かった「白血病」でした。

物語は、女子高生の幸子(山口百恵)が、父・茂(宇津井健)が勤める大学病院での爆発事故に巻き込まれ、放射線(コバルト60)を大量に浴びてしまうところから始まります。その結果、白血病に侵されてしまう幸子。彼女を献身的に支える父・茂と、事故現場で彼女を助けたことから恋に落ちた医大生・光夫(三浦友和)。しかし、物語は単なる悲恋では終わりません。幸子と光夫は、実は父親が同じ異母兄妹だったという、当時のお茶の間ではタブー視されていた衝撃の事実が判明するのです。

『赤い疑惑』が日本中に与えた衝撃

「白血病」「異母兄妹の許されざる愛」「出生の秘密」という、当時としては非常にセンセショナルなテーマを真正面から扱い、視聴者に大きな衝撃を与えました。毎週、幸子の身に次々と降りかかる過酷な運命に、日本中の人々が固唾をのんで見守り、涙しました。その注目度の高さは視聴率にも表れ、ビデオリサーチ社の調査によると、平均視聴率は23.4%、最高視聴率は30.9%を記録しました。

また、この作品は山口百恵と三浦友和の記念すべき初共演作であり、ここから「ゴールデンコンビ」の伝説が始まりました。ドラマティックなストーリーと、2人の瑞々しくも切ない演技が完璧な化学反応を起こし、空前の大ヒットとなったのです。このドラマの劇的な作劇スタイルは、後の韓国ドラマに多大な影響を与えたとも言われています。


バレエが題材の「赤い激突」

シリーズ第7作の『赤い激突』は、それまでの作品とは一線を画し、華やかなバレエの世界を舞台にした本格サスペンスドラマです。主演はシリーズの顔である宇津井健が務め、バレエダンサーの夫婦役を実力派女優の松尾嘉代と共に演じました。

物語は、日本を代表するバレエ団を率いる大谷夫妻(宇津井健、松尾嘉代)が、公演からの帰り道に交通事故に遭うという悲劇から幕を開けます。夫・高(たかし)は軽傷で済みますが、妻・圭子(けいこ)は全身麻痺のうえ意識不明の植物状態という絶望的な状況に陥ってしまいます。

回復の見込みがない妻を前に、高は「安楽死」という、非常に重く、倫理的にも困難な究極の選択を迫られることになります。愛する人の命を、自らの手で終わらせるべきか。その苦悩は、見る者の胸を強く打ちます。

さらに、事故の裏に隠されたライバルバレエ団の陰謀や、息子(国広富之)の出生の秘密、そして物語の鍵を握る謎の女性(岸惠子)の登場など、大映ドラマならではの要素が複雑に絡み合い、物語は最後まで予測不可能な展開を見せます。

生命倫理という重厚なテーマへの挑戦

本作は「安楽死」という、現代においても議論が続くデリケートな問題をテーマに取り上げた意欲作です。家族の愛や人間の尊厳とは何かを、極限の状況を通して視聴者に問いかける、非常に見ごたえのあるシリアスな作品となっています。それまでの「理想の父親」役が多かった宇津井健が、苦悩に満ちた難役を見事に演じきっている点も大きな見どころです。


最高傑作は?シリーズの人気作

「赤いシリーズ、たくさんあるけど、結局どれが一番面白いの?もし1本だけ見るなら、どれがおすすめ?」

長年愛され続けてきたシリーズだからこそ、このような疑問を持つ方も多いでしょう。どの作品も甲乙つけがたい名作ばかりですが、一般的にシリーズの最高傑作として名前が挙がることが多いのは、やはり『赤い疑惑』と『赤い衝撃』の2作品です。

人気と知名度を二分する2大タイトル

  • 【2】赤い疑惑
    前述の通り、社会現象を巻き起こしたシリーズ最大のヒット作です。衝撃的なストーリー展開と、百恵・友和コンビの誕生は、今なおテレビ史の伝説として語り草になっています。初めてシリーズに触れる方にとって、最も分かりやすく、インパクトのある作品と言えるでしょう。
  • 【4】赤い衝撃
    山口百恵が初主演を務め、下半身不随になりながらも愛する人のために再起を目指すスプリンターという難役を熱演しました。絶望的な状況でも希望を失わないひたむきな純愛ストーリーは多くの視聴者の心を掴み、こちらも最高視聴率32.6%を記録する大ヒットとなりました。

シリーズ最高視聴率を記録した隠れた名作『赤い激流』

実は、シリーズ全10作の中で最も高い視聴率を記録したのは、水谷豊が主演した第5作『赤い激流』です。その数字は、なんと平均25.5%、最高37.2%。これは1977年の年間ドラマ視聴率でもトップクラスの記録です。父親殺しの濡れ衣を着せられた天才ピアニストの逃亡劇という、手に汗握るサスペンスフルな内容で多くの視聴者を惹きつけました。シリーズの「隠れた最高傑作」として、熱心なファンから推す声も多い作品です。

最終的には個人の好みが大きいですが、視聴者のタイプ別におすすめを挙げるなら以下のようになります。

  • 衝撃的なストーリーが好きなら:『赤い疑惑』
  • 純愛・感動ストーリーが見たいなら:『赤い衝撃』
  • 本格サスペンスが好きなら:『赤い激流』『赤い迷路』

もし迷ったら、やはりシリーズの人気を決定づけた『赤い疑惑』から視聴するのが王道と言えるでしょう。


赤いシリーズを順番に楽しむための情報 まとめ

赤いシリーズを順番に楽しむための情報  まとめ
イメージ画像:エンタメMAG
  • 主題歌や挿入歌も魅力
  • 赤いシリーズの再放送予定は?
  • 配信やDVD・レンタルで見る方法
  • 赤いシリーズ 順番の総まとめ

主題歌や挿入歌も魅力

「赤いシリーズ」を語る上で絶対に欠かせないのが、ドラマの世界観を鮮やかに彩った主題歌や挿入歌の存在です。特に、山口百恵がレギュラー出演した作品では、彼女自身が歌う主題歌が採用され、その多くがドラマのヒットと共にオリコンチャートを賑わせる大ヒットを記録しました。

イントロが流れるだけで、ドラマの切ない名場面が鮮やかに蘇るという方も多いのではないでしょうか。千家和也、佐瀬寿一、平尾昌晃といった、当時の歌謡界を代表するヒットメーカーたちが手掛けた名曲の数々は、今聴いても色褪せることがありません。以下に代表的な楽曲をまとめました。

作品名主題歌/挿入歌歌手備考
【2】赤い疑惑「ありがとう あなた」山口百恵ミリオンセラーに迫る大ヒットを記録。
【3】赤い運命「赤い運命」山口百恵ドラマの悲劇的な世界観を表現した名曲。
【4】赤い衝撃「赤い衝撃」「走れ風と共に」山口百恵主題歌と挿入歌、両方がヒットした。
【6】赤い絆「赤い絆(レッド・センセーション)」山口百恵疾走感のあるロックテイストな楽曲。
【5】赤い激流「草の夢」水谷豊水谷豊自身が歌唱し、話題となった。
【8】赤い嵐「5マイル ア ヘッド」柴田恭兵柴田恭兵のクールな魅力が光る一曲。

これらの楽曲は、単なるタイアップ曲に留まらず、ドラマのストーリーと深く結びつき、物語をより一層ドラマティックに演出する重要な役割を担っていました。音楽という側面からシリーズを振り返るのも、また一興です。


赤いシリーズの再放送予定は?

「懐かしい赤いシリーズをもう一度テレビで見たい」と考えている往年のファンの方はもちろん、噂を聞いて新たに興味を持った方も多いことでしょう。しかし、残念ながら2025年現在、地上波のプライムタイムなどで定期的に再放送されることはほとんどないのが現状です。

とは言え、視聴の可能性が全く閉ざされたわけではありません。過去には、BS-TBSやCS放送のTBSチャンネル1・2などで、シリーズ作品が特集・再放送された実績が数多くあります。特に、昭和の名作ドラマをクローズアップする特別企画などで、今後も放送される可能性は十分に考えられます。

なぜ地上波での再放送が難しいのか?

昔のドラマの再放送が減った理由としては、様々な要因が考えられます。現代のコンプライアンス基準では不適切と判断されかねない表現が含まれていることや、複雑な権利関係、視聴率の問題など、放送局側にも事情があるのかもしれません。そのため、視聴の機会はBS/CS放送が中心となっているのが実情です。

確実な情報を得るためには、TBSや各衛星放送局の公式サイト、電子番組表(EPG)などをこまめにチェックすることをお勧めします。思わぬタイミングで、あなたの好きな作品の再放送が決定するかもしれません。


配信やDVD・レンタルで見る方法

再放送を待てない、好きな時に好きな順番で今すぐ見たいという方のために、現在の主な視聴方法を詳しくまとめました。結論から言うと、動画配信サービスでの視聴は極めて難しく、DVDの購入やレンタルが最も確実な方法となります。

動画配信サービス(VOD)

2025年8月現在、U-NEXT、Hulu、Netflix、Amazonプライム・ビデオといった主要な動画配信サービスでは、「赤いシリーズ」は一切配信されていません。これは、旧作ドラマに共通する権利処理の複雑さや、デジタル化のコストなどが背景にあると考えられます。残念ながら、現時点ではサブスクリプションサービスでの視聴は困難な状況です。

DVD・レンタルで視聴する

現在、「赤いシリーズ」を視聴するための最も現実的で確実な方法はDVDです。

  • DVDの購入
    過去にシリーズ各作品のDVD-BOXが発売されており、現在もオンラインストアなどで入手可能です。また、2014年には講談社から、山口百恵の主要出演作5タイトル(『迷路』『疑惑』『運命』『衝撃』『死線』)を全38巻に分けて収録した「山口百恵『赤いシリーズ』DVDマガジン」が刊行されました。こちらは中古市場などで比較的手に入れやすくなっています。
  • DVDのレンタル
    TSUTAYA DISCASに代表される宅配DVDレンタルサービスを利用するのが、最も手軽でコストパフォーマンスの高いおすすめの方法です。近所のレンタルショップでは取り扱いがないような旧作も、宅配レンタルなら豊富な在庫から選ぶことができます。

迷ったら宅配レンタル「TSUTAYA DISCAS」がおすすめ

TSUTAYA DISCASは、CDやDVDの取り扱い数が国内最大級で、「赤いシリーズ」の全作品もほぼ網羅されています。定額プランに加入すれば、店舗に足を運ぶ手間なく、自宅のポストにDVDが届き、見終わったらポストに投函するだけで返却が完了します。多くの作品が「旧作」扱いで借り放題の対象になっているため、月額料金内でシリーズ全作を制覇することも可能です。配信サービスでは見られない昭和の名作ドラマを探している方には、最適なサービスと言えるでしょう。


赤いシリーズ 順番の総まとめ

この記事では、不朽の名作ドラマ「赤いシリーズ」の放送順やあらすじ、キャスト、そして現在の視聴方法について、詳しく解説してきました。最後に、記事全体の重要なポイントをリスト形式でまとめます。

  • 赤いシリーズは1974年から1980年にかけて放送されたTBSと大映テレビ制作のドラマシリーズ
  • シリーズはテレビスペシャルを含め全10作品存在する
  • 記念すべき第一弾は宇津井健と松田優作、山口百恵が共演したサスペンス「赤い迷路」
  • 全作品の放送順は「迷路」「疑惑」「運命」「衝撃」「激流」「絆」「激突」「嵐」「魂」「死線」
  • シリーズを象徴する俳優は宇津井健、山口百恵、そして三浦友和
  • 山口百恵はシリーズ計7作品に出演し、うち「衝撃」「絆」「死線」の3作品で主演を務めた
  • シリーズ最終作「赤い死線」は山口百恵の芸能界引退記念作品として放送された
  • 「赤い疑惑」は白血病と異母兄妹の愛を描き最高視聴率30.9%を記録する社会現象となった
  • 「赤い衝撃」は山口百恵の初主演作で、こちらも最高視聴率32.6%を記録する大ヒット
  • シリーズ最高視聴率は水谷豊主演の「赤い激流」が記録した37.2%
  • 山口百恵が歌った「ありがとう あなた」などの主題歌もミリオンセラーに迫るヒットを記録
  • 地上波での定例的な再放送は現在ほとんど行われていない
  • BS-TBSやCSのTBSチャンネルで不定期に再放送される可能性がある
  • 主要な動画配信サービス(VOD)での配信は行われていない
  • 現在最も確実な視聴方法はDVDの購入またはレンタル
  • 宅配DVDレンタルのTSUTAYA DISCASを利用すれば手軽に全作品を視聴できる
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この記事を書いた人

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