『誰かが私を殺した』文庫本は存在しない。作品を楽しむ(聴く)方法を解説

『誰かが私を殺した』文庫本は存在しない。作品を楽しむ(聴く)方法を解説

東野圭吾さんの人気作『誰かが私を殺した』について、文庫本の発売情報を探している方も多いです。

加賀恭一郎シリーズの最新作として注目されていますが、実はこの作品にはいくつかの混同しやすいポイントがあります。

文庫本の有無の他、同シリーズの別作品『あなたが誰かを殺した』などとタイトルが似ているためです。

また、作品のあらすじや評価も気になるところだと思います。この記事では、「誰かが私を殺した」の文庫本に関する正確な情報と、作品を楽しむ方法を解説します。

この記事で分かること
  • 『誰かが私を殺した』の文庫本が存在しない理由
  • 『あなたが〜』『私が〜』など類似タイトルとの違い
  • 作品を今すぐお得に楽しむ方法
目次

「誰かが私を殺した」現状の文庫本情報

「誰かが私を殺した」現状の文庫本情報
イメージ:adobe stock

まずは結論から。『誰かが私を殺した』の文庫本に関する現在の状況と、作品の基本的な情報について解説します。なぜ多くの人が文庫本を探してしまうのか、その理由も整理します。

結論:書籍版(活字の本)は存在しない

「誰かが私を殺した」は、累計1400万部を突破した「加賀恭一郎シリーズ」の第13作目にあたります。

結論として、この『誰かが私を殺した』の文庫本、および単行本(ハードカバー)は存在しません。

これは「まだ文庫化されていない」のではなく、そもそも物理的な書籍として出版されていないことを意味します。

東野圭吾さんの単行本は発売から数年後に文庫化されるのが通例のため、「そろそろ文庫本が出るのでは?」と考えるのは自然なことです。

しかし、本作に関しては事情が全く異なり、その背景には特殊なリリース形態(audible限定・先行配信)があります。

作品はAudible限定・オーディオファースト作品

『誰かが私を殺した』は、東野圭吾さんがAudible(オーディブル)のために書き下ろしたオリジナル作品です。

そして、従来の「活字の本を朗読したオーディオブック」とは異なり、最初にオーディオブック版を制作・配信したオーディオファースト作品です。

オーディオファースト作品とは?
書籍などの紙媒体や電子書籍を経ず、最初からオーディオブック(音声コンテンツ)として制作・配信される作品のこと。

ナレーション、主要人物を演じる声優(俳優)、臨場感を高める効果音、シーンを彩るBGMが組み合わさった「贅沢な朗読劇」として制作されています。まさに「聴く読書」のために特別に設計された作品であり、2024年7月24日に配信が開始されました。

『誰かが私を殺した』はaudibleが満を辞して配信開始した初の東野圭吾作品であり、『誰かが私を殺した』を楽しめるのはAudibleのみです。(2025年11月現在)

「誰かが私を殺した」Audible配信情報

(表紙右下の)「ONLY FROM audible」とは、(オリジナル作品や、独自ナレーション作品等)Audibleのみが提供・販売するデジタル音声作品、という意味です。

作品名誰かが私を殺した
著者東野 圭吾
主なキャスト
(ナレーター)
寺島しのぶ(ナレーション / 国重塔子 役)
高橋克典(加賀恭一郎 役)
松坂桃李(国重辰真 役)
逢田梨香子(新澤 役)
ほか
再生時間2 時間 47 分
配信日2024/07/24
制作Audible Originals
カテゴリーミステリー・スリラー・サスペンス
形式オリジナル版 オーディオブック

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将来の書籍化や文庫化の可能性

2024年現在、書籍版(単行本・文庫本)の出版予定は公式には発表されていません。

現時点ではAudibleが独占配信権を保有していると推測されます。この「Audibleオリジナル」としての独占期間がどれくらい続くのかは不明ですが、この期間が終了した後、将来的に書籍化/文庫化される可能性はゼロではないでしょう。

実際、公式サイトでは以下のように説明されており、金原ひとみ「ナチュラルボーンチキン」のようにオーディオファースト作品が書籍化された実例もあります。

*Audibleで配信した一定期間後、書籍としても出版される場合があります

一般的な文庫化のスケジュール
あくまで一般的な例ですが、単行本の発売から文庫化までは、通常1年~3年程度かかるケースが多く見られます。もし将来的に単行本が出版されたとしても、文庫本として手軽に読めるようになるのは、さらにその後ということになります。

「誰かが私を殺した」のあらすじ<ネタバレなし>

本作は『祈りの幕が下りる時』や『あなたが誰かを殺した』に続く新作であり、加賀恭一郎が再び難事件に挑みます。さらに、本作では新たな相棒・女性刑事の新澤も登場し、「加賀の新シーズンはここから始まる」と銘打たれています。

物語は、主人公である国重ホールディングスの「女帝」・国重塔子が、亡き夫の月命日に墓前で何者かに撃たれるところから始まります。

気づいた時、彼女は魂だけの存在となってこの世に留まっていました。警察の遺体安置所で、彼女は警視庁捜査一課の刑事・加賀恭一郎と、彼の新たな相棒である女性刑事・新澤に出会います。

本作のユニークな点は、被害者である塔子自身が、魂となって捜査の行方を見守るという視点で物語が進行することです。彼女は生前の記憶を辿りながら、なぜ自分が殺されなければならなかったのか、その真相を探求していきます。公私において容赦なく人を切り捨ててきた彼女には、恨みを持つ者も少なくありません。

加賀恭一郎は、そんな塔子には見えない些細な手がかりを積み重ね、事件の真相に迫っていきます。そして、彼女が想像さえしなかった結末が、加賀の冷静な推理によって明かされていきます。

豪華キャストと作品の評価

本作の最大の魅力の一つが、日本を代表する俳優陣による「朗読劇」である点です。単なる朗読ではなく、キャラクターに命を吹き込む「演技」が楽しめます。

主なキャスト陣

まさに「耳で聴く映画」と呼ぶにふさわしい布陣です。

主なキャスト陣

  • 加賀恭一郎 役: 高橋克典
    重厚感と知性を併せ持つ声が、冷静沈着な加賀刑事に新たな深みを与えています
  • ナレーション / 主人公・国重塔子 役: 寺島しのぶ
    「女帝」と呼ばれた塔子の強さと脆さ、そして魂としての戸惑いを完璧に演じ分けています。ナレーションのキレの良い低音も絶賛されています。
  • 主要キャスト: 松坂桃李逢田梨香子
    物語の鍵を握る重要な役どころを、実力派の二人が固めます。
  • その他: 新藤みなみ、勝杏里、さとうあい、稲葉実、四宮豪、ほか

実際のユーザーレビュー分析

Audible版を実際に聴いたユーザーからは、その新しい読書体験が高く評価されています。

肯定的な評価としては、「贅沢な朗読劇」「まるで映画を楽しむよう」な臨場感、「効果音とBGMが効果的で情景が目に浮かぶ」といった声が目立ちます。また、「目を使わなくても情報が入ってくる」「話のテンポが良い」と、通勤中や家事中の「ながら聴き」にも最適という評価も多いです。

Audible お客様の声(「誰かが私を殺した」)
(3,202レビュー)2025.11月時点

素晴らしいの一言
ストーリーもさる事ながら、全ての俳優陣の実力をまざまざと見せつけられました。頭の中で描く情景が上質な映画を見ているようにくっきりと浮かび、大変贅沢な気分を味わいました。ブラボー

一気聴き!!
あっという間でした!豪華俳優陣の朗読素晴らしかったです!サスペンス×ファンタジー さすが、東野圭吾氏です。

最後の独白
終盤は特に聞き込んでしまいました
加賀の一つの台詞から展開が一気に進み、ながらで聞いていたのに気付いたら手が止まっていました

「誰かが私を殺した」 | Audible

一方で、ミステリーとしての分析的な評価も存在します。

ミステリーとしての評価(ネタバレなし)
従来の「読む」ミステリーとは異なり、「謎解きに関して後出し情報が多い」ため、リスナーが自力で犯人を推理するのは困難な構成になっているという指摘があります。また、犯行の動機や、主人公が死に取り乱さない点について「不自然ではないか」という感想も見られます。

聴いてみた実感としては、本作の魅力の核は「思考に訴える謎解き」というよりも、「感情に訴えるヒューマンドラマ」。だからこそ、卓越した朗読者の存在が最大限に発揮され、また、オーディオブックである必然性が高い作品だと言えます。

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「誰かが私を殺した」の文庫本が検索される理由

「誰かが私を殺した」の文庫本が検索される理由
イメージ:エンタメMAG

では、なぜ存在しないはずの「文庫本」が検索されるのでしょうか。その最大の理由は、東野圭吾さんの他の人気作、特に同じ加賀恭一郎シリーズの作品との「タイトルの混同」にあると考えられます。よく似たタイトルの作品が複数存在するため、情報が錯綜しやすいのです。

具体的には以下の加賀恭一郎シリーズ一覧の中で、3・5・12・13作目が混同されやすいタイトルです。これだけ似てるので、混同されるのも無理はないでしょう。

刊行順作品名単行本刊行文庫版
1『卒業』1986年
2『眠りの森』1989年
3『どちらかが彼女を殺した』1996年6月
4『悪意』1996年9月
5『私が彼を殺した』1999年
6『嘘をもうひとつだけ』2000年
7『赤い指』2006年
8『新参者』2009年
9『麒麟の翼』2011年
10『祈りの幕が下りる時』2013年
11『希望の糸』2019年
12『あなたが誰かを殺した』2023年
13『誰かが私を殺した』2024年オーディオファースト

1作品ずつ簡単に補足します。

混同① 12作目「あなたが誰かを殺した」

最も混同されやすいのが、2023年9月21日に発売された加賀恭一郎シリーズの『あなたが誰かを殺した』です。

  • 現状: 単行本(ハードカバー)として発売中。発売と同時にベストセラーとなっています。
  • 文庫本: 2024年現在、まだ発売されていません。
  • 文庫化予測: 一般的なスケジュール(単行本発売から2年半~3年後)に基づけば、2026年の春から秋頃になるのではないかと予測されます。
  • あらすじ: 閑静な別荘地で起きた無差別連続殺人事件。犯人は自首したものの、真相解明は暗礁に。事件で家族を亡くした遺族達が、自分たちで「検証会」を行うというストーリーです。

『誰かが〜』(2024年)と『あなたが〜』(2023年)は、どちらも加賀シリーズで発売時期も近いため、非常に混同されやすい2作です。

混同② 5作目「私が彼を殺した」は文庫あり

「加賀シリーズ」の「犯人当て」ミステリーを「文庫本」で読みたい場合、この作品を探している可能性もあります。

  • 現状: 講談社文庫として文庫本が入手可能です(1999年刊行)。
  • 特徴: 加賀恭一郎シリーズの一作で、「読者への挑戦状」が挿入されている高難易度の犯人当て小説として知られています。
  • あらすじ: 容疑者は3人。全員に動機があり、それぞれが殺そうと試みていた中で、真犯人は誰なのか。東野圭吾さんから読者への挑戦状となっている作品です。

混同③ 3作目「どちらかが彼女を殺した」も文庫で入手可能

『私が彼を殺した』と同様に、文庫で入手可能な「犯人当て」ミステリーです。

  • 現状: 講談社文庫として文庫本が入手可能です(1999年刊行)。
  • 特徴: こちらも加賀恭一郎シリーズの一作。『私が彼を殺した』と並び、フリマサイトなどでは『あなたが誰かを殺した』と3冊セットで出品されることもあり、ユーザーが「殺した」シリーズとして一括りに認識していることがわかります。

「誰かが私を殺した」文庫本情報の結論 まとめ

最後に、「誰かが私を殺した」の文庫本を探していた方へ、今回の情報を簡潔にまとめます。

  1. 『誰かが私を殺した』の文庫本・単行本は存在しません。
  2. 作品の正体は、高橋克典さんや寺島しのぶさんら豪華キャストによるAudible限定のオリジナル「オーディオドラマ」です。
  3. 『誰かが私を殺した』の文庫化の可能性はゼロではないが、2025年時点で予定は未定
  4. 文庫本を探している方は、以下の作品と混同している可能性もある
    • 『あなたが誰かを殺した』
    • 『私が彼を殺した』
    • 『どちらかが彼女を殺した』

加賀恭一郎シリーズの「最新作」を、最も新しい形で体験したい場合は、Audibleが唯一の方法となります。「聴く」という新しい体験が、東野圭吾ミステリーの新たな魅力を引き出しているかもしれません。

まずは無料体験を利用して、この「耳で聴く映画」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

「エンタメMAG」は、ミステリー小説や時代小説など小説全般をはじめ、映小説や映画・ドラマなどを取り扱うエンタメブログです。話題の作品紹介やレビューに加え、「作家やシリーズ作品の読む順番」 といった役立つ情報をまとめています。元古本屋店員、Audible歴4年(聴き放題制以降前から)のオーディオブック愛好者で、耳で楽しむ読書「オーディブル」に関する情報も豊富に発信しています。

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