東野圭吾氏の代表作「加賀恭一郎シリーズ」。阿部寛さん主演のドラマや映画「新参者」シリーズで知った方も多いかもしれません。
作品数が多く、東野圭吾の加賀恭一郎シリーズを読む順番で迷う人も多いと思います。この記事では、おすすめの4つの読み方から全作品のあらすじやおすすめポイントを紹介します。最新作や特におすすめの人気作品、ドラマを見る順番についても解説してますので是非最後までご覧ください。
- 加賀恭一郎シリーズの刊行順と時系列順
- シリーズ全作品のあらすじと最新情報
- ドラマや映画(新参者)の見る順番
東野圭吾「加賀恭一郎」シリーズの順番の最適解 <小説>

「加賀恭一郎」シリーズは映像化作品も人気ですが、まずは原作の小説シリーズの順番について解説します。
シリーズの基本情報とおすすめの読む順番<4パターン>
『ガリレオ』シリーズや『マスカレード』シリーズと並び、東野圭吾氏のキャリアを代表する本シリーズ。1986年の『卒業』以来、35年以上にわたって続き、シリーズ累計発行部数は1,400万部を突破してます。
ジャンルは主に本格ミステリーで作品数は全13作品(2025年11月現在)。
『嘘をもうひとつだけ』が短編集である以外は長編小説となっています。
(オーディブル限定作品『誰かが私を殺した』は再生時間的に短編〜中編のボリューム)
| 刊行順 | 作品名 | 単行本刊行 | 文庫版 |
|---|---|---|---|
| 1 | 『卒業』 | 1986年 | ◎ |
| 2 | 『眠りの森』 | 1989年 | ◎ |
| 3 | 『どちらかが彼女を殺した』 | 1996年6月 | ◎ |
| 4 | 『悪意』 | 1996年9月 | ◎ |
| 5 | 『私が彼を殺した』 | 1999年 | ◎ |
| 6 | 『嘘をもうひとつだけ』 | 2000年 | ◎ |
| 7 | 『赤い指』 | 2006年 | ◎ |
| 8 | 『新参者』 | 2009年 | ◎ |
| 9 | 『麒麟の翼』 | 2011年 | ◎ |
| 10 | 『祈りの幕が下りる時』 | 2013年 | ◎ |
| 11 | 『希望の糸』 | 2019年 | ◎ |
| 12 | 『あなたが誰かを殺した』 | 2023年 | ー |
| 13 | 『誰かが私を殺した』 | 2024年 | ー |
加賀恭一郎シリーズは、各作品の事件そのものは独立しているため、基本的にどの作品から手に取ってもミステリーとして楽しむことができます。
その上で4つのおすすめの読む順番を紹介します。
- 時系列順(≒刊行順) ※王道&オススメの順番
- 特に人気の代表的作品から読む
- 映像化作品から読む
- Audibleオリジナル作品(『誰かが私を殺した』)から聴く
1:時系列順(≒刊行順)
本シリーズには主人公・加賀恭一郎の人間的な成長や、彼と父親との確執、そして母親の失踪の謎といった、シリーズ全体を貫く「縦糸」となるドラマが存在します。このドラマを存分に楽しむために「時系列順」に読むのがおすすめです。
基本的に刊行順=時系列順なんですが、注意点として3作目と4作目では時系列が逆になってます。
特に、加賀の過去に深く関わる『祈りの幕が下りる時』の感動は、それ以前の作品(特に日本橋署時代)を読んでいるかどうかで変わってきます。
2:特に人気の代表的作品から読む
「シリーズで一番人気の作品は?」と気になったり、「有名作品から読みたい」という方も少なくないでしょう。
そういった方には、当記事では以下の3作品をおすすめします。
- 8作目『新参者』: 人情ミステリーの最高峰。ドラマから入った方にも最適。
- 7作目『赤い指』: シリーズの転換点。家族の絆を問う、号泣ミステリー。
- 3作目『悪意』: ロジックの極致。「なぜ?」を追求する傑作ホワイダニット。
3:映像化作品から読む
やはり映像化作品から興味を持つ方も多いはず。阿部寛さんが演じる加賀恭一郎のイメージに親しみがある場合、ドラマや映画化した『赤い指』『麒麟の翼』などから入るのもありです。そこから面白さを感じれば、1作目『卒業』に戻って遡る読み方でも十分に楽しめます。
- 2作目『眠りの森』:スペシャルドラマ(2014年)
- 7作目『赤い指』:スペシャルドラマ(2011年)
- 8作目『新参者』:連続ドラマ(2010年)
- 9作目『麒麟の翼』:映画(2012年)
- 10作目『祈りの幕が下りる時』(2018年)
4:Audible作品(『誰かが私を殺した』)から聴く
2024年の最新作は、オーディオドラマとして制作されました。これは音声作品として独立して楽しめるため、豪華キャストの「聴くドラマ」としてシリーズに初めて触れるのも新しい楽しみ方です。ここから興味を持ち、過去作の書籍に進むのも良いでしょう。
シリーズ読書時の注意点
- 「犯人当て」作品の存在:
3作目『どちらかが彼女を殺した』と5作目『私が彼を殺した』は、意図的に犯人が明記されず、読者に推理が委ねられる特殊な作品です。結末がはっきりしないとモヤモヤする方は、あらかじめ知っておきたいポイントです。 - 7作目『赤い指』以降の作風転換:
初期(特に4作目『悪意』まで)は、ロジック重視の「冷たい」本格ミステリーが中心です。一方、『赤い指』以降は「体温」のあるヒューマンドラマへと大きく変貌します。どちらの作風が好きかで、読み始める作品を選ぶのも一つの方法です。
推奨される時系列順について解説
最も王道の読み方は物語の中での時間の流れに沿った「時系列順」です。最大のメリットは、主人公・加賀恭一郎の人生(大学生から刑事、そしてキャリアの変遷)を深く理解できる点です。
各ミステリーは独立していますが、彼の昇進や所轄への異動、そして家族との関係性の変化はシリーズを通して描かれます。基本的に刊行順=時系列順ですが、注意点は3作目と4作目の順番です。
<3作目・4作目> キャリアパスの逆転に注意
読者が混乱する最大のポイントは、3作目と4作目にあります。
時系列順では『4作目. 悪意』(警視庁捜査一課時代)が、所轄の練馬署時代を描いた『3作目. どちらかが彼女を殺した』よりも前に位置します。
この「エリートコース(捜査一課)から所轄へ」というキャリアの変動こそが、加賀恭一郎という刑事の原点を形作る重要な要素です。この流れを理解するためにも、時系列順での読書がおすすめです。
キャリアパスに基づいた、推奨される時系列順リストは以下になります。
| 推奨・時系列順 | 刊行順 | 作品名 | 時系列上の位置づけ・加賀の立場 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 『卒業』 | 国立T大学の大学生時代 |
| 2 | 2 | 『眠りの森』 | 警視庁捜査一課(刑事キャリア開始) |
| 3 | 4 | 『悪意』 | 警視庁捜査一課時代 |
| 4 | 3 | 『どちらかが彼女を殺した』 | 練馬署時代(所轄へ) |
| 5 | 5 | 『私が彼を殺した』 | 練馬署時代 |
| 6 | 6 | 『嘘をもうひとつだけ』 | 練馬署時代 |
| 7 | 7 | 『赤い指』 | 練馬署時代 |
| 8 | 8 | 『新参者』 | 日本橋署へ異動 |
| 9 | 9 | 『麒麟の翼』 | 日本橋署時代 |
| 10 | 10 | 『祈りの幕が下りる時』 | 日本橋署時代(シリーズの集大成) |
| 11 | 11 | 『希望の糸』 | 警視庁捜査一課へ復帰 |
| 12 | 12 | 『あなたが誰かを殺した』 | 警視庁捜査一課 |
| 13 | 13 | 『誰かが私を殺した』 | 警視庁捜査一課 係長・警部 |
1作目〜最新作まで。全作品のあらすじを紹介
ここでは「刊行順」に沿って、全13作品のあらすじとおすすめポイントを紹介します。
すでに述べたとおり、刊行順はおすすめの読み順「時系列」とは一部異なるため、注意が必要です。
3作目「どちらかが彼女を殺した」と4作目「悪意」は時系列的には逆になっています。
1. 『卒業』(1986)
雪月花の茶会に隠された、若き日の苦い真実。
作品内容・あらすじ
大学4年の秋、友人グループの一人・祥子が自室で死体で発見された。密室状態から当初は自殺かと思われたが、他殺の可能性が浮上。加賀は友人たちと共に真相を探るが、恩師の家で行われた茶会「雪月花之式」で第二の事件が発生する。
当サイトおすすめの理由
後の刑事像とは全く異なる「大学生・加賀恭一郎」の原点です。友人(交際相手)の視点で語られる部分も多く、彼の寡黙さや真面目さが際立ちます。シリーズを通して描かれる「父親との確執」の片鱗も既に現れており、ファン必読の序章と言えます。
| 出版年 | 1986年 |
|---|---|
| 時系列 | 1番目(大学生時代) |
| 小説形式 | 長編 |
2. 『眠りの森』(1989)
華麗なるバレエの世界、そのプリマは嘘をつく。
作品内容・あらすじ
名門バレエ団の事務所で男性が殺害された。バレエ団は正当防衛を主張するが、捜査担当となった刑事・加賀恭一郎は不審を抱く。捜査の一環でバレエを鑑賞するうち、加賀は一人のバレリーナ・浅岡未緒に惹かれていく。
当サイトおすすめの理由
刑事・加賀恭一郎の本格的な初登場作です。事件の捜査と並行し、若き日の加賀の「恋模様」が描かれる非常に稀有な作品。クラシックバレエの知識がなくても、その世界の厳しさと美しさが伝わってきます。加賀の人間味あふれる一面が見どころです。
| 出版年 | 1989年 |
|---|---|
| 時系列 | 2番目(警視庁捜査一課) |
| 小説形式 | 長編 |
| メディア化 | SPドラマ(2014年 / 主演:阿部寛) |
3. 『どちらかが彼女を殺した』(1996)
容疑者は二人。犯人は、この中にいる。
作品内容・あらすじ
警察官の和泉は、妹の遺体が自殺に偽装された他殺だと確信する。彼は自らの手で復讐するため、他殺の証拠を隠蔽し、捜査を撹乱する。所轄(練馬署)の刑事として捜査に加わった加賀。容疑者は、妹の親友か、かつての恋人か。
当サイトおすすめの理由
シリーズきっての「問題作」です。なんと、犯人が最後まで明記されません。読者自身が提示されたヒントから犯人を推理する形式で、巻末には「推理の手引き」まで収録されています。純粋な謎解きに挑戦したい方におすすめです。
| 出版年 | 1996年 |
|---|---|
| 時系列 | 4番目(練馬署時代) |
| 小説形式 | 長編 |
4. 『悪意』(1996)
犯人はわかっている。だが、本当の「動機」はまだ、誰にもわからない。
作品内容・あらすじ
人気作家・日高が仕事場で殺害された。第一発見者は、日高の親友である小説家・野々口。彼が事件前後を綴った手記を読んだ加賀は、文章に奇妙な違和感を覚える。やがて犯人は逮捕されるが、その「動機」を一切語ろうとしない。
当サイトおすすめの理由
「誰が犯人か」ではなく「なぜ殺したか」に焦点を当てた、シリーズ屈指の傑作「ホワイダニット」ミステリーです。手記と捜査記録が交互に展開し、二転三転する真相に圧倒されます。加賀が「教師をやめて警察になった理由」も本作で明かされます。
| 出版年 | 1996年 |
|---|---|
| 時系列 | 3番目(警視庁捜査一課) |
| 小説形式 | 長編 |
| メディア化 | ドラマ(2001年 / 主演:間寛平 ※加賀は登場せず) |
5. 『私が彼を殺した』(1999)
容疑者は三人。全員が「私が殺した」と告白した。
作品内容・あらすじ
脚本家・穂高が結婚式当日に毒殺された。前日に彼の交際相手だった女性が自殺していたため、当初は無理心中かと思われた。しかし捜査が進むにつれ、容疑者は3人に絞られる。だが、3人ともが自白を始める。
当サイトおすすめの理由
『どちらかが~』に続く「犯人当て」シリーズ第2弾。容疑者が3人に増え、難易度はさらに上がっています。加賀が最後に提示するヒントを基に、真犯人を見つけ出す快感は格別です。ミステリーファンとしての腕が試される一冊です。
| 出版年 | 1999年 |
|---|---|
| 時系列 | 5番目(練馬署時代) |
| 小説形式 | 長編 |
6. 『嘘をもうひとつだけ』(2000)
その嘘を暴けるのは、あなたしかいない。
作品内容・あらすじ
シリーズ初の短編集。表題作では、マンションから転落死したバレエ団の事務員を捜査。状況は自殺を示していたが、加賀は同室に住むバレリーナ(『眠りの森』と関連)に疑いの目を向け、彼女の”嘘”を暴くために静かな罠を仕掛ける。
当サイトおすすめの理由
短編ながら、加賀の鋭い観察眼とロジックが光る作品集です。この作品が、初期の「王道ミステリー」期の区切りとなります。長編を読む時間がない時でも、加賀恭一郎シリーズの神髄に触れることができます。
| 出版年 | 2000年 |
|---|---|
| 時系列 | 6番目(練馬署時代) |
| 小説形式 | 短編集 |
7. 『赤い指』(2006)
守るべきは家族か、真実か。その指が示す先にあるものは。
作品内容・あらすじ
平凡なサラリーマン・前原昭夫のもとに、妻から「息子が少女を殺害した」という衝撃の連絡が入る。昭夫は、認知症の母、ヒステリックな妻、そして息子という「家族」を守るため、遺体の隠蔽工作を図る。そこに練馬署の加賀が訪れる。
当サイトおすすめの理由
シリーズの作風が「一変する」と評される決定的な転換点。それまでの犯人当てから、なぜ事件が起きたのか、そして家族とは何かを問う、「体温」を感じるヒューマンドラマへと変貌します。加賀と彼の父親との関係にも進展があり、涙なしには読めません。
| 出版年 | 2006年 |
|---|---|
| 時系列 | 7番目(練馬署時代) |
| 小説形式 | 長編 |
| メディア化 | SPドラマ(2011年 / 主演:阿部寛) |
8. 『新参者』(2009)
この街の「嘘」は、人を守るためにつかれた嘘だ。
作品内容・あらすじ
日本橋・小伝馬町で一人暮らしの女性が殺害された。日本橋署に赴任したばかりの「新参者」である加賀は、事件とは無関係に見える人形町のせんべい屋や料亭などを訪ね歩き、そこで語られる小さな「嘘」を解きほぐしながら、事件の真相へと迫る。
当サイトおすすめの理由
『赤い指』でみられた作風の変化が、「義理人情の町・日本橋」という舞台を得て、完全に確立された作品です。9つの章が連作短編のように構成されており、非常に読みやすいのも特徴。加賀の人情味あふれる捜査スタイルが心に沁みます。
| 出版年 | 2009年 |
|---|---|
| 時系列 | 8番目(日本橋署へ異動) |
| 小説形式 | 長編(連作短編形式) |
| メディア化 | 連続ドラマ(2010年 / 主演:阿部寛) |
9. 『麒麟の翼』(2011)
彼はなぜ、瀕死の体で、翼のある麒麟像まで歩いたのか。
作品内容・あらすじ
日本橋の麒麟像の下で、胸を刺された男性・青柳武明が力尽きる。彼はなぜ、刺されながらも助けを求めず、8分間も歩き続けたのか? 容疑者の若者は逃走中に事故に遭い意識不明に。加賀は、被害者の不可解な「行動」の謎を追う。
当サイトおすすめの理由
『新参者』の続編であり、日本橋署時代の加賀の捜査がさらに深まります。テーマは「家族愛」と「贖罪」。被害者の行動に隠された息子へのメッセージが明らかになる時、深い感動に包まれます。ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても完璧な一作です。
| 出版年 | 2011年 |
|---|---|
| 時系列 | 9番目(日本橋署時代) |
| 小説形式 | 長編 |
| メディア化 | 映画(2012年 / 主演:阿部寛) |
10. 『祈りの幕が下りる時』(2013)
加賀恭一郎が、日本橋に来た本当の理由が明かされる。
作品内容・あらすじ
葛飾区のアパートで女性の変死体が発見される。捜査線上に、加賀の知人でもある美人演出家・浅居博美が浮上。この事件は、これまで謎に包まれていた加賀の「失踪した母親」の秘密、そして彼が「日本橋署にこだわり続ける理由」に直結していた。
当サイトおすすめの理由
シリーズ最大の謎が解き明かされる、まさに集大成。本作の深い感動は、『卒業』から続く加賀の人生、特に父親との確執と和解(『赤い指』)、そして日本橋での捜査(『新参者』『麒麟の翼』)を知っているからこそ得られるものです。時系列順に読んできた人への、最大の「ご褒美」となる作品です。
| 出版年 | 2013年 |
|---|---|
| 時系列 | 10番目(日本橋署時代) |
| 小説形式 | 長編 |
| 受賞歴 | 第48回 吉川英治文学賞 |
| メディア化 | 映画(2018年 / 主演:阿部寛) |
11. 『希望の糸』(2019)
その糸は、家族を繋ぐ希望か、あるいは…。
作品内容・あらすじ
小さな喫茶店を営む女性が殺害された。被害者の不可解な行動を追うと、ある少女の存在が浮上する。一方、金沢では一人の男性が遺言書を残し息を引き取ろうとしていた。二つの場所で語られる「家族」の物語が、やがて一つの真相を紡ぎ出す。
当サイトおすすめの理由
『祈りの幕が下りる時』で自身の物語に区切りをつけた加賀が、警視庁捜査一課に復帰してからの「新章」です。本作では加賀は「脇役」となり、主人公は彼の従兄弟である刑事・松宮です。加賀が次世代を導くメンター的な役割に移行したことを示唆しています。
| 出版年 | 2019年 |
|---|---|
| 時系列 | 11番目(警視庁捜査一課へ復帰) |
| 小説形式 | 長編 |
12. 『あなたが誰かを殺した』(2023)
初期の加賀が帰ってきた。冷徹なロジックが真相を穿つ。
作品内容・あらすじ
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。休暇中だった加賀は、知り合いに頼まれ、遺族たちが行う「検証会」に参加する。無差別殺人と見られた事件だったが、加賀は残された人々の証言の「嘘」と「矛盾」から、隠された真実を暴いていく。
当サイトおすすめの理由
『赤い指』以降の「人情」路線とは打って変わり、本作では加賀が再び「単なる探偵役」として機能しています。初期の「王道ミステリー」路線へ回帰したかのような作風が、長年のファンを驚かせました。新たな加賀の一面を楽しめる一作です。
| 出版年 | 2023年 |
|---|---|
| 時系列 | 12番目(警視庁捜査一課) |
| 小説形式 | 長編 |
13. 『誰かが私を殺した』(2024)
私は殺された。その「声」は、加賀刑事に届かない。
作品内容・あらすじ
女性社長・国重塔子が夫の墓前で射殺された。彼女の意識は体から離れ、幽体として自らの死体を見下ろす中、警視庁捜査一課の加賀恭一郎と部下の新澤刑事が捜査を開始する。被害者(幽体)の視点から、加賀の捜査が進んでいく。
当サイトおすすめの理由
シリーズ最新作にして、単行本が存在しない「オーディオブック限定」の書き下ろしという意欲作。詳細は次の項目で解説しますが、「死者の視点」というファンタジックな設定と、加賀の「現実的な捜査」がどう融合するのか、必聴の作品です。
| 出版年 | 2024年 |
|---|---|
| 時系列 | 13番目(警視庁捜査一課 係長) |
| 小説形式 | 長編(オーディオドラマ) |
| Audible配信 | ◎ 聴き放題 |
「誰かが私を殺した」はオーディブル限定?
シリーズ13作目となる『誰かが私を殺した』は、2024年7月に発表された最新作ですが、これまでの作品とは大きく異なる点があります。
それは、本作が単行本や文庫といった「書籍」が存在しない、Amazonのオーディオブックサービス「Audible」限定の「オーディオドラマ(朗読劇)」として書き下ろされた点です。
東野圭吾氏がAudibleのために初めて書き下ろした完全オリジナル作品であり、新たな加賀の「バディ」も登場するなど、シリーズの新たなステージを感じさせます。
シリーズ他作品のAudible配信について
2025年11月現在、加賀恭一郎シリーズの他作品(『卒業』『眠りの森』など)は、Audibleでは配信されていません。『誰かが私を殺した』のみが、Audibleで楽しめる唯一の作品となっています。この点、情報が混同しやすいためご注意ください。
豪華キャストによる「聴く」ドラマ体験
本作の最大の魅力は、豪華な俳優・声優陣による「演技」です。単なる朗読ではなく、効果音や複数のキャストによる掛け合いで、臨場感あふれるドラマ体験ができます。
本作はaudibleが満を持して配信した初の東野圭吾作品です。そして、多くのファンがいる東野作品が発売時に「audibleでしか楽しめない」という力の入れようです。
「豪華なナレーター」はaudibleの特徴ですが、これだけ多くの人気俳優の採用は間違いなく「audible史上で最も豪華」と言える布陣です。
- 国重塔子(被害者):寺島しのぶ
- 国重辰真(息子):松坂桃李
- 加賀恭一郎(刑事):高橋克典
- 新澤(加賀の部下):逢田梨香子
物語は被害者である寺島しのぶさんの視点(モノローグ)で進み、捜査の様子を加賀役の高橋克典さん、松坂桃李さんらが演じるという、贅沢な構成になっています。
Audibleは新規無料体験キャンペーンを実施中
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東野圭吾「加賀恭一郎」シリーズの映像版を見る順番

「加賀恭一郎シリーズ 順番」と検索する方の中には、阿部寛さん主演で大ヒットしたドラマ・映画「新参者」シリーズの視聴順を知りたい方も多いでしょう。原作の時系列や刊行順とは異なるため、映像版独自の「見る順番」が存在します。ここで詳しく整理します。
映像化された作品とキャストを紹介
阿部寛さんが加賀恭一郎を演じた「新参者」シリーズは、2010年の連続ドラマから2018年の映画完結編まで、全5作品が制作されました。原作の魅力である「人情」と「鋭い洞察力」を阿部寛さんが見事に体現し、大ヒットシリーズとなりました。
加賀の従兄弟であり、次第に相棒のような存在になっていく警視庁捜査一課の刑事・松宮脩平役を溝端淳平さん、加賀が尊敬しつつも確執を抱える父・隆正役を山崎努さんが演じるなど、豪華なキャスト陣が脇を固めているのも特徴です。
| 作品名 | 形態 | 放送・公開年 |
|---|---|---|
| 『新参者』(8作目) | 連続ドラマ | 2010年 |
| 『赤い指』(7作目) | スペシャルドラマ | 2011年 |
| 『麒麟の翼』(9作目) | 映画 | 2012年 |
| 『眠りの森』(2作目) | スペシャルドラマ | 2014年 |
| 『祈りの幕が下りる時』(10作目) | 映画 | 2018年 |
注意点:原作と映像化の順番が異なる
表の通り、映像化はシリーズ8作目の『新参者』からスタートしました。その後、原作では前日譚にあたる7作目『赤い指』や、さらに過去の2作目『眠りの森』がスペシャルドラマとして制作されています。このため、放送・公開順=物語の時系列順ではないことが、混乱の原因となります。
映画・ドラマの見る順番を解説
公開順に見ても各作品のミステリーは楽しめますが、加賀のキャリアと物語の繋がり、特に「なぜ彼は日本橋に来たのか」というシリーズの核心に触れるドラマを深く味わうならば、物語の中の「時系列順」での視聴がおすすめです。
この順番で見ることで、加賀が警視庁捜査一課の若きエリートだった時代から、所轄の練馬署を経て、日本橋署の「新参者」になるまでの流れ、そして彼の過去と家族の謎が、原作の意図に近い形で明らかになっていきます。
推奨される「時系列」視聴順
- SPドラマ『眠りの森』(2014年)
原作2作目。加賀が警視庁捜査一課にいた頃の若き日の物語。まだ捜査スタイルも鋭く冷たい部分が目立ちます。 - SPドラマ『赤い指』(2011年)
原作7作目。日本橋署に移る2年前、練馬署時代の物語。父・隆正との確執と和解が描かれる、シリーズの根幹に関わる重要なエピソードです。 - 連続ドラマ『新参者』(2010年)
原作8作目。練馬署から日本橋署へ異動した直後の物語。人情味あふれる捜査スタイルが確立されます。 - 映画『麒麟の翼』(2012年)
原作9作目。『新参者』の続編。日本橋での加賀の捜査がさらに深まります。 - 映画『祈りの幕が下りる時』(2018年)
原作10作目。『麒麟の翼』に続く物語で、加賀自身の「母の失踪」の謎に迫る、映像版シリーズの集大成にして完結編です。
映画・ドラマの最高傑作は?
どの作品も非常に高いクオリティですが、最高傑作を選ぶとなると、何を重視するかで答えが変わってきます。
当サイトとしては、2つの「最高傑作」を提案します。
1. シリーズ集大成の「感動」なら:映画『祈りの幕が下りる時』
シリーズの集大成として『祈りの幕が下りる時』を挙げる声が多いのは事実です。原作10作目にあたり、加賀恭一郎自身の「母親の失踪」という最大の謎、そして彼が日本橋に来た理由のすべてが明かされます。
ミステリーとしての秀逸さはもちろん、親子の愛と絆を描いたヒューマンドラマとして、シリーズを通して積み上げてきたもののすべてが昇華されるカタルシスは圧巻です。映像版「新参者」シリーズの完結編として、これ以上ない感動を与えてくれます。
2. 「人情群像劇」としての最高峰なら:連続ドラマ『新参者』
一方で、連続ドラマ『新参者』は、加賀恭一郎シリーズの「人情」という側面を確立した作品として、非常に高く評価されています。
日本橋人形町という実在の街を舞台に、一見事件とは無関係なせんべい屋、料亭、時計屋などを加賀が訪ね歩き、そこで暮らす人々の小さな「嘘」や「秘密」を解きほぐしていきます。その小さな謎が、最終的に大きな殺人事件の真相へと繋がっていく構成は、ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても秀逸です。阿部寛さん演じる加賀恭一郎の魅力が最も詰まった作品とも言えるでしょう。
好みは分かれますが、まずは連続ドラマ『新参者』で加賀と日本橋の魅力に触れ、時系列順に見て『祈りの幕が下りる時』で感動のフィナーレを迎えるのが、最も満足度の高い楽しみ方かもしれません。
まとめ:東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの順番
東野圭吾氏の「加賀恭一郎シリーズ」をどの順番で楽しむか、答えは一つではありません。
加賀恭一郎という一人の人間の成長や苦悩、そして家族の物語を深く追体験したいなら『卒業』から「時系列順」に。人気の高さやストーリーが気になった作品があれば、その作品から。
そして、阿部寛さん演じる人情味あふれる加賀刑事が好きなら、映像版の「時系列順」で『眠りの森』から『祈りの幕が下りる時』まで一気に見るのも良いでしょう。
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの順番は、どのルートを選んでも深い感動と驚きが待っています。基本的な予備知識をチェックした上でぜひ気になった作品から見て(読んで)ください。
