宮部みゆきさんの時代小説は、心温まる人情話から背筋が凍る怪談、そして巧みなミステリーまで、多彩な作品が魅力です。しかし、作品数が多いため、どの順番で読めばよいか?迷ってしまう方も少なくありません。人気作から手に取るべきか?シリーズ作品を追いかけるべきか?最適な読む順番が気になるところです。
この記事では、おすすめの時代小説をはじめ、ぼんくら・三島屋・茂七・霊験お初シリーズ、そしてきたきた捕物帳シリーズのあらすじを含めたシリーズ全作品を詳しく紹介します。
- 宮部みゆき時代小説の最適な読む順番
- 各シリーズのあらすじと作品一覧
- 作品同士の繋がりやクロスオーバーの楽しみ方
宮部みゆき時代小説の読む順番 | 全作品をチェック

ここでは、物語を最大限に楽しむための基本情報や、まず手に取ってほしいおすすめ作品、そして作品全体のリストをご紹介します。あなたにぴったりの一冊を見つけるガイドとして参考にしてください。
シリーズを含めた時代小説の全作品 一覧【出版順】
宮部みゆきさんの時代小説には、物語が巻をまたいで続くシリーズ作品と、1冊で完結する独立作品が存在します。
まずはどのような作品があるのか、全体像を把握することがおすすめです。ここでは、これまでに刊行された時代小説を出版された順に一覧でご紹介します。
| 出版年 | タイトル/シリーズ名 | シリーズ各作品 | ジャンル・形式 |
|---|---|---|---|
| 1991年〜 | 茂七シリーズ <完結> | 本所深川ふしぎ草紙 (1991) かまいたち (1992) 幻色江戸ごよみ (1994) 初ものがたり (1995) 堪忍箱 (1996) あやし (2000) | 人情ミステリー(連作短編集) |
| 1993年〜 | 霊験お初シリーズ <完結> | 震える岩 霊験お初捕物控 (1993) 天狗風 霊験お初捕物控 (1997) | 怪奇ミステリー(長編) |
| 2000年〜 | ぼんくらシリーズ | ぼんくら (2000) 日暮らし (2004) おまえさん (2011) | 時代ミステリー(長編) |
| 2002年 | あかんべえ | ファンタジー(長編) | |
| 2005年 | 孤宿の人 | 時代小説(長編) | |
| 2008年〜 | 三島屋シリーズ | おそろし (2008) あんじゅう (2010) 泣き童子 (2013) 三鬼 (2016) あやかし草紙 (2018) 黒武御神火御殿 (2019) 魂手形 (2021) よって件のごとし (2022) 青瓜不動 (2023) 猫の刻参り (2025) | 怪談(連作短編集) |
| 2011年 | ばんば憑き(お文の影) | 怪談(短編集) | |
| 2013年 | 桜ほうさら | 青春・人情小説(長編) | |
| 2014年 | 荒神 | パニック・ホラー(長編) | |
| 2017年 | この世の春 | ミステリー(長編) | |
| 2020年〜 | きたきた捕物帳シリーズ | きたきた捕物帖 (2020) 子宝船 (2022) 気の毒ばたらき (2024) | 捕物帖(長編) |
時代小説作品を読む順番のポイント
宮部みゆきさんの時代小説をどの順番で読むかについては、決まったルールはありません。ただ、より深く物語を楽しむためのいくつかのポイントが存在します。ここでは、主な3つのアプローチをご紹介します。
読む順番を決める3つのポイント
- 気になる独立作品・ジャンルから読み始める
- 好きなシリーズの1作目から読み始める
- 出版された順に追いかける
まず、物語が1冊で完結する独立作品から読み始めるのは、とても入りやすい方法です。また、同じ時代小説と言っても人情、ホラー、ミステリー、ファンタジーと作風は幅広いので、好みのジャンルで選ぶのも大きな選択材料になります。
次に、もし特定のシリーズに興味を持ったなら、そのシリーズの1作目から順番に読むことをおすすめします。宮部さんのシリーズ作品は、登場人物の成長や人間関係の変化が巻を追うごとに丁寧に描かれているため、順番に読んだ方がより楽しめます。
そして、すでに大ファンという方は、出版された順に読んでいくという楽しみ方もおすすめです。作家の作風の変化や、後述する「クロスオーバー」の発見など、濃密な読書体験が待っています。
代表作から読む おすすめの人気作10選
「まずは特に人気のある作品から読んでみたい」という方のために、物語の世界に入りやすいおすすめの人気作を10作品厳選しました。ミステリー、人情噺、怪談など、多彩なジャンルから選んでいますので、好みに合う一冊がきっと見つかるはずです。
どの作品も宮部みゆきさんの魅力が凝縮されており、ここからシリーズ作品の続編を読み進めていくきっかけにもなります。
1. ぼんくら
闇に蠢く巨大な悪意に、怠け者同心が立ち向かうシリーズ開幕編。
作品内容・あらすじ
江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまう。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。
おすすめポイント
人情と謎解きが絶妙に融合した人気シリーズの第1作です。ここから宮部時代小説にハマる人も多い、まさに代表作の一つと言えます。江戸に生きる人々の息遣いがリアルに感じられ、張り巡された伏線が見事に回収される終盤は圧巻です。
| 出版年 | 2000年 |
| 小説ジャンル | 時代ミステリー(長編) |
| シリーズ名 | ぼんくらシリーズ 第1作 |
| メディア化 | テレビドラマ(2014年)、ラジオドラマ(2005年) |
2. 本所深川ふしぎ草紙
江戸の怪談「本所七不思議」が、人々の心を映す事件へと変わる。
作品内容・あらすじ
シリーズ第一作。江戸で古くから語り継がれる「本所七不思議」を題材に、七つの不思議な事件が描かれる連作短編集。商家主人の殺害事件に隠された娘の悲しい秘密を探る「片葉の芦」。恋を成就させたい主人のため、丑三つ時に神社へ向かった奉公人が遭遇する怪異「送り提灯」。超常的な出来事と、そこに絡む人々の業や人情を、岡っ引きの茂七が解き明かしていく。
おすすめポイント
宮部みゆきさんの時代小説家としての才能を世に知らしめた、記念碑的作品。ミステリーとしての完成度の高さはもちろん、江戸に生きる人々の息遣いが聞こえてくるようなリアルな描写が素晴らしいです。デビュー初期の瑞々しい筆致の中に、後の巨匠の片鱗が随所に感じられる、時代小説が初めての方にも最適な一冊。
| 出版年 | 1991年 |
| 小説ジャンル | 時代小説、連作短編集、ミステリー |
| 受賞 | 第13回吉川英治文学新人賞(1992年) |
| シリーズ名 | 茂七シリーズ 第一作 |
3. 震える岩
死人憑きと少女の死、二つの怪事件が江戸の闇を照らし出す。
作品内容・あらすじ
死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。不思議な力を持つ「姉妹屋」のお初は、与力見習の右京之介と探索を始める。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。無関係に見えた二つの事件はやがて、赤穂事件の因縁へと繋がっていく。
おすすめポイント
霊が視える少女お初が活躍する人気シリーズ第1作です。オカルトと謎解きの融合が見事で、歴史上の大事件が絡む壮大なプロットには圧倒されます。正反対の性格を持つお初と右京之介のコンビが信頼を育んでいく過程も丁寧に描かれ、読後には爽やかな感動が待っています。
| 出版年 | 1993年 |
| 小説ジャンル | 怪奇ミステリー(長編) |
| シリーズ名 | 霊験お初シリーズ 第1作 |
| メディア化 | テレビドラマ(2024年)、漫画 |
| Audible聴き放題 | ◎ |
4. 堪忍箱
決して開けてはならぬ箱。人々の心の闇が、災いを呼び起こす。
作品内容・あらすじ
蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花・木蓮の細工が施してあった。物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ、呑み込んでいく。表題作を含む時代小説短編集。
おすすめポイント
人の心の内に潜む闇や、どうしようもない人間の性を鋭く、しかし温かい眼差しで見つめる傑作短編集です。ぞっとするような怖さの中にも、救いや許しが感じられるのが宮部みゆきさんならでは。人間の心理の深淵を覗き見るような、文学性の高い物語が味わえます。
| 出版年 | 1996年 |
| 小説ジャンル | 人情・怪談(短編集) |
5. あかんべえ
怖くて、面白くて、可愛くて…。深川「ふね屋」不思議ばなし。
作品内容・あらすじ
江戸深川の料理屋「ふね屋」に、抜き身の刀が現れ暴れ出す。成仏できずにいる亡者の仕業だったが、その姿はおりんただ一人にしか見えなかった。屋敷にまつわる因縁の糸を解きほぐしていくと、三十年前の忌わしい事件が浮かび上がり…。
おすすめポイント
霊が視える少女おりんが主人公の長編ファンタジーです。人間の心に巣食う闇を見つめながら成長していくおりんの健気さが胸に迫ります。怖くて切なく、そして心に沁みる、宮部ワールド全開の物語は、多くの読者のお気に入りの一冊となっています。
| 出版年 | 2002年 |
| 小説ジャンル | ファンタジー(長編) |
6. おそろし
江戸中の不思議話が、心を閉ざした娘の魂を溶かしてゆく。
作品内容・あらすじ
17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざした。今は江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らしている。三島屋を訪れる人々の不思議話がおちかの心を溶かし始める。「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」の百物語、ここに開幕。
おすすめポイント
宮部さんがライフワークと語る大人気「三島屋」シリーズの記念すべき第1作。静かで深い恐怖と、語り手の人生が浮かび上がる人情噺が融合した新しい形の怪談シリーズです。ただ怖いだけでなく、読後には不思議な癒やしと解放感が残ります。
| 出版年 | 2008年 |
| 小説ジャンル | 怪談(連作短編集) |
| シリーズ名 | 三島屋シリーズ 第1作 |
| メディア化 | テレビドラマ(2014年)、漫画 |
| Audible聴き放題 | ◎ |
7. この世の春
21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!
作品内容・あらすじ
宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。応対した各務多紀は、女が連れていた赤子に驚愕する。それは藩内で権勢をほしいままにする御用人頭の嫡男であった。一夜の出来事はやがて、北関東の小国を揺るがす大事件へと発展していく。
おすすめポイント
超能力、歴史の謎、そしてサイコサスペンスが融合した壮大な物語です。複雑に絡み合った伏線が解き明かされていく様は見事としか言いようがありません。長編ならではの緻密で壮大なスケールのミステリーに浸りたい方におすすめの、著者の集大成ともいえる傑作です。
| 出版年 | 2017年 |
| 小説ジャンル | 長編ミステリー |
| Audible聴き放題 | ◎(2025年12月31日配信予定) |
8. 桜ほうさら
桜がご縁でめぐり逢った人々。人生の切なさが心に沁みる物語。
作品内容・あらすじ
父が賄賂の疑いをかけられ自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た古橋笙之介は、父の汚名をそそぎたいという思いを胸に秘め、深川の長屋に住み事件の真相究明にあたる。傷ついた笙之介は「桜の精」のような少女・和香と出逢い…。
おすすめポイント
無実の罪で藩を追われた若者の再生を描く感動的な青春時代小説です。不正に立ち向かう凛とした姿勢と、苦境の中でも失われない人の優しさが胸を打ちます。読後には爽やかな希望が心に残る、宮部みゆき時代小説の中でも特に「善」の力が光る作品です。
| 出版年 | 2013年 |
| 小説ジャンル | 青春・人情(長編) |
9. 荒神
怪物、襲来。元禄の世を揺るがす、一大エンターテインメント。
作品内容・あらすじ
元禄太平の世、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など様々な事情が交錯するこの土地に、その“化け物”は現れた。人々はなすすべもなく、その圧倒的な力の前にひれ伏すしかなかった。
おすすめポイント
閉ざされた村を突如襲う、巨大な怪物の恐怖を描いた一大エンターテインメント時代小説です。手に汗握るパニックホラーでありながら、極限状態に置かれた人々の重厚な人間ドラマが深く描かれます。圧倒的なスケールと物語の力は必読。時代小説の枠を超えた傑作です。
| 出版年 | 2014年 |
| 小説ジャンル | パニック・ホラー(長編) |
| メディア化 | テレビドラマ(2018年) |
| Audible聴き放題 | ◎ |
10. きたきた捕物帖
二人の「きたさん」出会いの物語、ここから始まる江戸ミステリー。
作品内容・あらすじ
岡っ引きの千吉親分を亡くした見習いの北一は、親方の本業だった文庫売りで生計を立てる。まだ半人前の彼が、謎の多い湯屋の釜焚き・喜多次と出会い、相棒となる。江戸・深川で起こる神隠しや不可解な事件に、対照的な二人が挑む。
おすすめポイント
見習い岡っ引の成長物語と捕物帖が融合した新しいシリーズの第1作です。明るく軽快なトーンで描かれており、時代小説に不慣れな方でもスラスラと読み進めることができます。主人公・北一のひたむきな姿は、誰もが応援したくなるでしょう。
| 出版年 | 2020年 |
| 小説ジャンル | 捕物帖(長編) |
| シリーズ名 | きたきた捕物帳シリーズ 第1作 |
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【シリーズ別】宮部みゆき時代小説を読む順番

宮部みゆきさんの時代小説の大きな魅力の一つが、個性豊かなキャラクターたちが活躍するシリーズ作品です。各シリーズは独自のテーマと世界観を持ち、一度読み始めるとその世界から抜け出せなくなること必至です。
ここでは、主要な5つのシリーズの基本情報と、それぞれの読む順番を分かりやすくご紹介します。
| シリーズ名 | 作品数 | 出版年 |
|---|---|---|
| ぼんくらシリーズ | 全3作 | 2000年〜 |
| きたきた捕物帳シリーズ | 現在3作 | 2020年〜 |
| 茂七シリーズ | 全6作 | 1991年〜 |
| 三島屋シリーズ | 現在10作 | 2008年〜 |
| 霊験お初シリーズ | 全2作 | 1993年〜 |
ぼんくらシリーズ 読む順番とあらすじ紹介
人情味あふれる作風が好きな方に、まずおすすめしたいのがこの「ぼんくらシリーズ」です。
普段は仕事嫌いで「ぼんくら」と揶揄される同心・井筒平四郎が、甥で美少年の弓之助の助けを借りながら、江戸・深川で起こる難事件に挑みます。
ぼんくらシリーズの読む順番
- ぼんくら (2000年)
- 日暮らし (2004年)
- おまえさん (2011年)
このシリーズは物語の連続性が高いため、必ず第1作『ぼんくら』から順番に読む必要があります。『ぼんくら』で提示された謎が『日暮らし』で解決されるなど、巻をまたいだ構成になっているのが特徴です。派手な立ち回りはありませんが、江戸の町に生きる人々の心の機微を丹念に描き、じっくりと真相に迫っていく展開は、まさに宮部ミステリーの真骨頂です。
きたきた捕物帳シリーズ 読む順番とあらすじ紹介
宮部さんが「作家生活の集大成」と位置づける、現在進行形の人気シリーズが「きたきた捕物帳」です。
(出典:PHP研究所「気の毒ばたらき」特設サイト)
主人公は、まだ半人前の岡っ引き見習い・北一。謎多き相棒・喜多次と共に、事件を通して成長していく姿を描く、爽やかな捕物帖です。
きたきた捕物帳シリーズの読む順番
- きたきた捕物帖 (2020年)
- 子宝船 (2022年)
- 気の毒ばたらき (2024年)
このシリーズも主人公の成長物語であるため、刊行順に読むのがおすすめです。物語の舞台となる「富勘長屋」は独立作品『桜ほうさら』にも登場し、また、「ぼんくらシリーズ」の登場人物が重要な役割で顔を見せるなど、ファンにはたまらない仕掛けが満載。宮部ワールドのハブとなる重要なシリーズであり、今後の展開から目が離せません。
茂七シリーズ 読む順番とあらすじ紹介
宮部みゆき時代小説の原点ともいえるのが、ベテラン岡っ引きの茂七親分が活躍する「茂七シリーズ」です。1992年には第一作『本所深川ふしぎ草紙』で第13回吉川英治文学新人賞を受賞しました。(出典:講談社「吉川英治文学新人賞」過去受賞作)
江戸の本所・深川に伝わる「七不思議」などを題材に、怪異と人情が絡み合った事件を人情味豊かに解決していきます。
茂七シリーズの読む順番
- 本所深川ふしぎ草紙 (1991年)
- かまいたち (1992年)
- 幻色江戸ごよみ (1994年)
- 初ものがたり (1995年)
- 堪忍箱 (1996年)
- あやし (2000年)
シリーズの時間は刊行順に進んでいきますので、この順番で読むと茂七親分の活躍を時系列で追うことができます。特に『初ものがたり』では若き日の茂七が描かれ、『あやし』では茂七の孫・千吉が主人公となるなど、世代を超えた物語が楽しめます。江戸の風情をじっくり味わいたい方におすすめです。
三島屋シリーズ 読む順番とあらすじ紹介
宮部さんがライフワークと公言し、熱狂的なファンを持つ怪談シリーズが「三島屋変調百物語」です。江戸で評判の袋物屋「三島屋」の奥座敷で、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」をルールに、訪れる客が不思議な体験談を語っていきます。
三島屋シリーズの読む順番
- おそろし (2008年)
- あんじゅう (2010年)
- 泣き童子 (2013年)
- 三鬼 (2016年)
- あやかし草紙 (2018年)
- 黒武御神火御殿 (2019年)
- 魂手形 (2021年)
- よって件のごとし (2022年)
- 青瓜不動 (2023年)
- 猫の刻参り (2025年)
各話の怪談は独立していますが、聞き手であるおちか(1~5作目)、そして富次郎(6作目~)の人生の物語がシリーズ全体を貫いています。特に、聞き手が交代する5作目『あやかし草紙』は大きな節目となるため、ぜひ1作目から順番に読み進めて、登場人物たちの心の軌跡を追体験してください。
霊験お初シリーズ 読む順番とあらすじ紹介
怪奇的な要素と本格ミステリーが好きな方には、「霊験お初」シリーズがぴったりです。人には視えないものが視える不思議な力「霊験」を持つ少女お初が、気弱だが聡明な与力見習い・右京之介とコンビを組み、江戸で起こる超常的な難事件に挑みます。
霊験お初シリーズの読む順番
- 震える岩 (1993年)
- 天狗風 (1997年)
このシリーズは全2作で完結しており、刊行順に読むことで、正反対の二人が信頼関係を築き、成長していく姿をしっかりと見届けることができます。1作目『震える岩』は赤穂事件が関わる壮大な歴史ミステリー、2作目『天狗風』は人間の心の闇に迫るホラーサスペンスと、それぞれ異なるテイストが楽しめます。
知ると楽しい!作品間のクロスオーバーの魅力
宮部みゆきさんの時代小説が持つ大きな楽しみの一つに、異なるシリーズの登場人物が別の作品に登場する「クロスオーバー」があります。これらの繋がりを知ると、物語の世界がより広く深みのあるものに感じられます。
特に「ぼんくら」「茂七」「きたきた捕物帳」の3シリーズは繋がりが深く、一繋がりの世界観を形成しています。
主なクロスオーバーの例
- 政五郎親分とおでこ:茂七・ぼんくら・きたきた捕物帳シリーズ
「茂七シリーズ」に登場する茂七親分の元手下である政五郎は、「ぼんくらシリーズ」で岡っ引きの大親分として活躍します。さらに時が流れた「きたきた捕物帳シリーズ」にも、頼れる重鎮として登場します。 - 謎の稲荷寿司屋:茂七・きたきたシリーズ
「茂七シリーズ」の『初ものがたり』に登場した正体不明の稲荷寿司屋の親父。その正体は長らく謎でしたが、「きたきた捕物帖」でついに明かされます。 - 富勘長屋:きたきた捕物帖/桜ほうさら
「きたきた捕物帖」の主人公・北一が住む「富勘長屋」は、独立作品『桜ほうさら』の主要な舞台でもあります。
これらの繋がりは、必ずしも知っている必要はありません。しかし、複数のシリーズを読み進めるうちに点と点が線で繋がり、物語世界が広がっていく感覚は、宮部みゆき作品ならではの醍醐味と言えます。
まとめ:宮部みゆきの時代小説を読む順番
宮部みゆきさんの時代小説は、それぞれが独立した魅力を持つ一方で、ぼんくら・三島屋・茂七シリーズなど長大な世界観をじっくりと楽しむこともできます。この記事で紹介した読む順番やポイントを参考に、ぜひあなただけのお気に入りの一冊を見つけてください。
- 宮部みゆき時代小説の読む順番に決まりはないがポイントがある
- シリーズ作品は1作目から刊行順に読むのが最も楽しめる
- ぼんくらシリーズと茂七シリーズ、きたきた捕物帳シリーズは世界観が繋がっている
- 三島屋シリーズや霊験お初シリーズは怪談や怪奇ミステリーが好きな人におすすめ
- オーディブルを使えば耳で物語を楽しむこともできる
