2度の本屋大賞受賞という快挙を成し遂げた作家、凪良ゆうさん。その人気から作品に興味を持ったものの、「どの本から読めばいいの?」と読む順番に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
BL(ボーイズラブ)作品から純文学・一般文芸まで作風は幅広いため、特に最初の一冊は迷います。この記事では、初心者の方にも分かりやすく、おすすめの作品を軸にした読む順番を解説します。
文庫本ランキングの上位の人気作から、話題の映画化・メディア化作品、さらには著者の経歴・出身大学やデビュー作からの書籍一覧まで、詳しくまとめています。
- 凪良ゆう作品を初めて読む最適な順番
- 本屋大賞受賞作など人気のおすすめ作品
- BLから純文学までの作風の変遷と特徴
初心者向け | 凪良ゆう作品の読む順番

凪良ゆうさんの作品は、熱狂的なファンを持つBLから一般文芸まで多岐にわたります。ここでは、凪良ゆうさんの読む順番を複数の切り口でご提案します。
【入門者向け】 最初の一冊は本屋大賞受賞作がおすすめ
凪良ゆうさんの一冊目で、最もおすすめなのが本屋大賞の受賞作から手に取ることです。
本屋大賞は「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」というキャッチコピーの通り、身近なプロフェッショナルが最も支持する文学賞。
凪良ゆうさんは、なんとこの本屋大賞を2度も受賞。
これは恩田陸さん以来史上2人目となり、歴史的な快挙と言っても過言ではありません。
そのため、この受賞作2冊は「最初の一冊」を選ぶ上で絶対避けられない選択肢であり、最も間違いのない作品と言えます。
2020年本屋大賞受賞作『流浪の月』
“誘拐犯”と“被害女児”。世界が決めつけた関係の真実を描く、息をのむ傑作。
作品内容・あらすじ
家庭に帰る場所のない9歳の少女・更紗と、公園で出会った孤独な大学生・文。彼のもとで過ごした二ヶ月間は、更紗にとって初めて心安らぐ時間だった。しかし、二人の穏やかな日々は「誘拐事件」として唐突に終わりを告げる。15年後、偶然再会した二人は、世間から貼られたレッテルと偏見の中で、再び互いの魂の絆を求め合う。社会の常識では決して測れない関係性を描き、新しい人間関係への旅立ちを問う衝撃作である。
見どころ・注目ポイント
加害者と被害者という単純な二元論では決して語ることのできない、人間の複雑で繊細な関係性が本作の最大のテーマです。世間の無責任な「善意」や画一的な「正しさ」が、時に人をどれだけ深く傷つけるかを鋭く描き出しており、読了後には自分自身の価値観が大きく揺さぶられるような読書体験が待っています。この衝撃的な物語は、李相日監督により映画化もされ、大きな反響を呼びました。
| 出版年 | 2019年 |
|---|---|
| ジャンル | 一般文芸 |
| 主な受賞歴 | 2020年本屋大賞 |
| Audible配信 | ◎ 配信中 |
2023年本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』
その愛は、あまりにも切ない。瀬戸内の島で紡がれる、15年間の魂の物語。
作品内容・あらすじ
風光明媚な瀬戸内の島で育った高校生の少女・暁海と、家庭の事情で島に転校してきた少年・櫂。心に癒えない孤独を抱える二人は、運命に導かれるように惹かれ合うが、その運命はあまりにも残酷に彼らをすれ違わせる。15年という長い歳月にわたり描かれる、壮大な愛と人生の選択の物語である。社会の「正しさ」に縛られ、消えない愛に呪われながらも、自らの人生を必死に生き抜こうとする人々の姿を描いた、心の奥深くに響く最高傑作。
見どころ・注目ポイント
『流浪の月』での受賞からわずか3年後に、再び本屋大賞に輝いた、凪良ゆうさんの集大成とも言える作品です。風光明媚な瀬戸内の島を舞台に、心に深い傷を抱えた高校生の男女が出会い、惹かれ合い、そして残酷な運命に翻弄されながらも成長していく15年間の壮大な愛の物語が描かれます。
| 出版年 | 2022年 |
|---|---|
| ジャンル | 一般文芸 |
| 主な受賞歴 | 2023年本屋大賞、第168回直木三十五賞候補 など |
| Audible配信 | ◎ 配信中 |
【無料】オーディブルの聴き放題対象作品から聴く
おすすめの人気作から読む | 8選
どの作品が広く読まれているかを知りたい方のために、本屋大賞受賞作以外で特におすすめの人気作を8作品ピックアップして紹介します。一般文芸からBLまで、ジャンルの異なる作品を選ぶことで、作風の幅広さも感じていただけるはずです。
1. わたしの美しい庭
屋上の縁切り神社で紡がれる、血の繋がらない家族の優しく切ない救済の物語。
作品内容・あらすじ
マンションの屋上にある「縁切り神社」を管理する統理と、血の繋がらない小学生の百音。そして彼らを取り巻く人々が抱える孤独や傷。世間の「普通」からはみ出した人々が、不器用ながらも寄り添い、ささやかな光を見出していく姿を描く連作短編集。
おすすめポイント
『流浪の月』や『汝、星のごとく』が持つ鋭さとは異なり、非常に優しく温かな読後感が特徴です。凪良ゆうさんが描く「家族のかたち」の多様性に触れられます。心が疲れている時に読むと、そっと寄り添ってくれるような作品です。
| 出版年 | 2019年 |
| 小説ジャンル・形式 | 一般文芸・連作短編集 |
2. 美しい彼
王様に捧げる、歪んで純粋な信仰。スクールカーストを超えた衝撃の恋愛譚。
作品内容・あらすじ
吃音症でクラス最底辺の平良一成。彼が恋に落ちたのは、美しく、クラスの頂点に君臨する「キング」清居奏だった。清居を神のように崇める平良と、平良の絶対的な視線に戸惑いながらも惹かれていく清居。二人の関係は高校卒業後、新たな局面を迎える。
おすすめポイント
ドラマ・映画化で爆発的な人気を博した、凪良ゆうさんのBL代表作です。圧倒的な心理描写で描かれる、二人の「ままならなさ」が魅力。一般文芸から入った方にも、凪良さんの作風の原点としてぜひ読んでいただきたいシリーズの第1作目です。
| 出版年 | 2014年 |
| 小説ジャンル・形式 | BL(ボーイズラブ)・長編 |
| 受賞した賞 | BLアワード2015 小説部門 第1位 |
| メディア化 | ドラマ(2021年〜)/映画(2023年) |
3. 滅びの前のシャングリラ
地球最後の一ヶ月。あなたは、誰と、どう過ごしますか?
作品内容・あらすじ
一ヶ月後に小惑星が衝突し、地球が滅びることが確定した世界。学校でいじめを受ける少年、人を殺めたヤクザ、恋人から逃げ出した女性。社会の片隅で「うまく生きられなかった」4人が、最期の時をどう過ごすのか。荒廃していく世界で、彼らが見つける希望の在処とは。
おすすめポイント
極限状態に置かれた人々の本性や業、そしてわずかな善意が鮮烈に描かれます。終末ものという設定ながら、「生きること」の意味を真正面から問う、圧巻の群像劇です。「キノベス!2021」で第1位に選ばれるなど、書店員からの評価も非常に高い一作です。
| 出版年 | 2020年 |
| 小説ジャンル・形式 | 一般文芸・長編 |
| 受賞した賞 | キノベス!2021 第1位 |
4. 神さまのビオトープ
死んだ夫の幽霊と暮らす。凪良ゆう、初の非BL作品。
作品内容・あらすじ
事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と暮らすうる波。その秘密を大学の後輩に知られたことから、物語は予期せぬ方向へ。機械の親友を持つ少年、小さな子供を一途に愛する青年など、世間の「正しさ」から置き去りにされた人々の密やかな愛情を描く、四編の連作短編集。
おすすめポイント
凪良ゆうさんが一般文芸に進出する転機となった記念碑的な作品です。後の『流浪の月』などにも通じる、「普通とは何か」を問うテーマ性が色濃く表れています。切なくも温かい、救済の物語です。
| 出版年 | 2017年 |
| 小説ジャンル・形式 | 一般文芸・連作短編集 |
| Audible 配信 | ◎ 配信中 |
5. すみれ荘ファミリア
愛は毒か、それとも救いか。疑似家族が紡ぐ、ミステリアスな絆。
作品内容・あらすじ
古い下宿「すみれ荘」の管理人・一悟。彼の前に、幼い頃に生き別れた弟・芥と名乗る小説家が現れる。しかし弟は正体を明かさない。すみれ荘の住人たちを巻き込みながら、芥が隠す秘密と過去の事件が明らかになっていく。
おすすめポイント
凪良さんが描く「家族」というテーマの中でも、ミステリー要素が色濃い作品です。血の繋がりとは何か、愛が時に毒にも救いにもなることを、スリリングな展開の中で描きます。「家族の呪い」に苦しむ人々に響く一冊です。
| 出版年 | 2018年 |
| 小説ジャンル・形式 | 一般文芸・長編 |
6. おやすみなさい、また明日
記憶が失われても、この想いだけは。切なく温かいBLの名作。
作品内容・あらすじ
恋人に振られ、保証人がいなくて家も借りられない売れない小説家のつぐみ。彼を助けたのは、アパートを営む青年・朔太郎だった。穏やかな朔太郎に惹かれていくつぐみだが、朔太郎は「恋人は作らない」と決めていた。彼には、記憶が徐々に抜け落ちていくという秘密があり……。
おすすめポイント
凪良ゆうさんのBL作品の中でも、特に切なさと感動で名作と名高い一冊です。「山茶花(さざんか)」の花びらが散るように、ゆっくりと記憶が失われていく恐怖と、それでも人を愛してしまう切実さが胸を打ちます。BLという枠を超えた人生の物語としておすすめです。
| 出版年 | 2014年 |
| 小説ジャンル・形式 | BL(ボーイズラブ)・長編 |
7. 未完成
未熟な高校生の、恐ろしいほど真っ直ぐな恋心。
作品内容・あらすじ
家庭環境に鬱憤を抱える高校生・瀬名は、英語教師の阿南がゲイであると知り、揶揄うことで鬱憤を晴らそうとする。しかし、大人な阿南に軽くあしらわれるうち、瀬名は彼といることが心地よいと感じ始める。自分の思いが「恋」だと自覚した瀬名の猛アタックが始まるが……。
おすすめポイント
デビュー初期の作品(2009年)であり、後の作品に通じる「ままならなさ」の原型がここにあります。年下高校生の青臭くエゴイスティックな暴走と、大人の理性の間で揺れる教師の葛藤が鮮烈に描かれます。凪良ゆうさんの「著者萌えベスト3」とあとがきで語られるほどの意欲作です。
| 出版年 | 2009年(2014年文庫化) |
| 小説ジャンル・形式 | BL(ボーイズラブ)・長編 |
8. ニアリーイコール
幸薄い二人が見つける、不器用で優しい「ほぼ=(イコール)」の愛。
作品内容・あらすじ
天涯孤独で幸薄い人生を送ってきた葉月。ある日、彼は中学時代の同級生で、当時「自分とは違う世界の人間」だと思っていたアパレル店員の香坂と再会する。香坂もまた、一見華やかに見えて、一筋縄ではいかない事情を抱えていた。二人は互いの欠けた部分を埋めるように惹かれ合う。
おすすめポイント
『おやすみなさい、また明日』にも通じる、「幸薄い者同士」が寄り添い合う、凪良ゆうさん得意の作風が光る作品です。派手な展開はありませんが、二人の日常と感情が丁寧に描かれ、じんわりと心に沁みます。優しい読み心地のBL作品を求めている方におすすめです。
| 出版年 | 2015年 |
| 小説ジャンル・形式 | BL(ボーイズラブ)・長編 |
数々の文学賞受賞・ノミネート作品から選ぶ
凪良ゆうさんの実力は、2度の本屋大賞受賞に留まりません。他にも多くの文学賞を受賞・ノミネートしています。
これらの実績が示すのは凪良ゆうさんが単なる人気作家ではなく、現代文学の担い手として確固たる地位を築いている事実です。そういった文学的な評価を重視して選ぶのも良い方法でしょう。
主な受賞・ノミネート歴
- 『流浪の月』:
2020年本屋大賞、第41回吉川英治文学新人賞候補 - 『滅びの前のシャングリラ』:
2021年本屋大賞ノミネート、キノベス!2021 第1位 - 『汝、星のごとく』:
2023年本屋大賞、第168回直木三十五賞候補、第10回高校生直木賞、2022王様のブランチBOOK大賞 - 『星を編む』:
2024年本屋大賞ノミネート
映画化・メディア化作品から選ぶ
「普段あまり本を読まない」「活字だけの世界に没入するのが少し苦手」という方や、まずは気軽に物語の世界観に触れてみたいという方には、映画化・メディア化された作品から入るのが非常におすすめです。映像化された作品は、物語の魅力が監督や俳優陣の解釈を通して視覚的に分かりやすく表現されており、登場人物の表情や声、美しい風景などが加わることで、より直感的に感情移入しやすいという大きなメリットがあります。
映画『流浪の月』(2022年公開)
広瀬すずさんと松坂桃李さんという日本映画界を代表する俳優のダブル主演で映画化され、その衝撃的な内容と俳優陣の熱演で大きな話題を呼びました。李相日監督が、原作の持つ繊細で危うい緊張感に満ちた空気を見事に映像で表現しており、原作ファンからも高い評価を得ています。映画を観てから原作小説を読むことで、映像では描ききれなかった登場人物の微細な心情の変化や、セリフの裏に隠された深い意味をより立体的に理解できるため、物語の楽しみが何倍にも広がります。
ドラマ・映画『美しい彼』シリーズ
凪良ゆうさんの代表的なBL小説シリーズであり、テレビドラマ化、そして劇場映画化によって国内外で爆発的な人気を獲得した作品です。スクールカースト最底辺にいる”吃音”の高校生・平良と、頂点に君臨する圧倒的な美しさを持つ同級生・清居の、歪でありながらも純粋な恋愛模様を描いています。
原作の持つ独特のモノローグや唯一無二の世界観が驚くほど忠実に再現されており、熱心な原作ファンからも「理想の実写化」として絶大な支持を得ています。BL作品の世界に興味がある方は、まずはこちらの映像作品から入ることで、凪良ゆうさんのキャリアの原点とも言える魅力を存分に知ることができます。
【凪良ゆう作品を読む順番】と小説をより楽しむための知識

読む順番、選び方の後は、作家本人の背景や作品世界の広がりについて紹介します。BL作家としての原点から、一般文芸への飛躍、そして作家自身の半生を含めた一歩踏み込んだ知識は、作家・凪良ゆうとその作品をより深く楽しむキッカケになるでしょう。
心を揺さぶる作風と作品の特徴
凪良ゆうさんの作品が世代や性別を超えて多くの読者の心を掴む最大の理由は、登場人物たちの心の機微を深く、そしてどこまでも丁寧に描き出す、その卓越した心理描写にあります。社会の常識や「普通」とされる価値観の枠組みからはみ出してしまった人々の、声にならない孤独や寄る辺のない葛藤、そして彼らが絶望の中で見つけ出す特別な関係性を、繊細でありながらも読者の胸を打つ力強い筆致で表現しています。
キャリアの原点であるBL(ボーイズラブ)ジャンルで磨き上げた「関係性のクローズアップ」という手法は、一般文芸作品においてもその真価を発揮しています。凪良さんの物語では、登場人物たちがお互いを完全に理解し合うことはありません。むしろ、分かり合えない存在であることを前提としながらも、それでもなお相手を認め、寄り添おうとする姿を描くことで、人間関係の普遍的な真実を浮かび上がらせているのです。この真摯な姿勢が、多くの読者の深い共感を呼んでいます。
凪良ゆう作品の主な特徴
社会との調和が難しい人々がテーマ:
世間一般の価値観とは相容れない登場人物たちが、時に傷つきながらも自分たちだけの幸せの形を必死に模索する物語が、作品の核となっています。
繊細で美しい文章表現:
まるで情景や感情が目の前に立ち上るかのような、美しくもリズム感があり読みやすい文章が大きな魅力です。読者はストレスなく物語の世界に深く没入することができます。
多様な愛の形の肯定:
恋愛、家族愛、友愛といった既存のカテゴリーには収まりきらない、名付けようのない多様な人物間の絆や愛情が、絶対的に肯定され、尊いものとして描かれています。
これらの特徴により、凪良ゆうさんの物語は単なるエンターテインメントに留まりません。読者自身の生き方や他者との関わり方について、深く静かに考えさせるきっかけを与えてくれます。どの作品から読んだとしても、その唯一無二の世界観と、読後も長く心に残り続ける深い感動を味わうことができるでしょう。
BLから純文学への作風の広がり
凪良ゆうさんの輝かしいキャリアを語る上で絶対に欠かせないのが、BL(ボーイズラブ)作家としての出発点です。2007年の鮮烈なデビュー以来、約10年間にわたってBLジャンルで精力的に活動し続け、『美しい彼』シリーズに代表される数多くのヒット作を世に送り出してきました。この時期に徹底して追求された「登場人物同士の関係性や、言葉にならない心の動きを深く掘り下げる」という作風が、現在の凪良ゆうさんの礎となっています。
そして2017年、初の一般文芸作品となる『神さまのビオトープ』を発表。この作品を機に、男女間の恋愛や、より広い意味での人間関係を描くようになり、その活躍の場を大きく広げていきました。
キャリアの変遷を楽しむ読み方
BL作品と一般文芸作品のどちらから読んでも深く楽しめますが、両方のジャンルに触れることで、作家としての変遷と進化をより立体的に味わうことができます。例えば、BLの代表作『美しい彼』を読んだ後に、一般文芸の最高傑作『汝、星のごとく』を読むと、根底に流れる一貫したテーマ性と、表現の深化や物語のスケールの広がりを、感じ取ることができるでしょう。
BL作品では男性同士の恋愛というある種の制約の中で、そして一般文芸ではより自由で多彩な設定の中で、凪良ゆうさんは常に「普通ではない」とされる人々の生きづらさや、彼らが結ぶ尊い絆を描き続けています。この一貫したテーマ性こそが、ジャンルという垣根を超えて多くの読者の心に届く魅力です。
著者のプロフィールと大学・学歴について
凪良ゆうさんの作品に描かれる登場人物たちが抱える深い苦悩や、社会に対する切実な葛藤は、著者自身の壮絶な人生経験が色濃く反映されていると言われています。作品をより深く、そしてパーソナルなレベルで理解するために、そのプロフィールに少しだけ触れてみましょう。
凪良ゆうさんは母子家庭で育ち、小学生の頃には家に一人でいることが多かったとインタビューで語っています。その後、小学6年生の時に児童養護施設に入所し、高校を中退した後、わずか15歳で自立して働き始めるという、並大抵ではない経験をされています。このような過酷な環境の中で、心を支え、唯一の救いとなったのが、漫画や小説といった「物語」の世界だったそうです。
「出身大学」に関する情報について
プロフィールを検索すると「出身大学」という関連キーワードが表示されることがありますが、前述の通り、凪良ゆうさんは大学には進学していません。高校を中退し、非常に若くして社会に出て自らの力で生計を立ててきたという経歴を持っています。この事実は、世間と上手く折り合いをつけられない登場人物たちのリアルな造形や、社会の「正しさ」に対する鋭い問いかけに、繋がっているかもしれません。
「はたから見たら過酷な人生ですが、絶望一色にならなかったのは、物語のお陰です」とご自身で語るように、かつて物語に救われた経験が、今度は誰かを救うための物語を紡ぎ出す、尽きることのない原動力となっています。この背景を知ることで、作品に込められた切実なメッセージや、登場人物たちが抱える痛みが、より鮮やかに感じられるはずです。
デビュー作から辿る書籍一覧
凪良ゆうさんの主な著作を一覧表にまとめました。
ここでは代表的な作品をジャンル別に、刊行順で紹介します。
凪良ゆう 主な書籍一覧(刊行順)
| 刊行年 | タイトル | ジャンル | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2007年 | 花嫁はマリッジブルー | BL | デビュー作 |
| 2014年 | 美しい彼 | BL | 「美しい彼」シリーズ1作目 |
| 2016年 | 憎らしい彼 美しい彼2 | BL | シリーズ2作目 |
| 2017年 | 神さまのビオトープ | 一般文芸 | 初の非BL作品 |
| 2019年 | 悩ましい彼 美しい彼3 | BL | シリーズ3作目 |
| 2019年 | 流浪の月 | 一般文芸 | 2020年本屋大賞受賞 |
| 2019年 | わたしの美しい庭 | 一般文芸 | |
| 2020年 | 滅びの前のシャングリラ | 一般文芸 | キノベス!2021 第1位 |
| 2021年 | interlude 美しい彼番外編集 | BL | シリーズ番外編集 |
| 2022年 | 汝、星のごとく | 一般文芸 | 2023年本屋大賞受賞 |
| 2023年 | 星を編む | 一般文芸 | 『汝、星のごとく』続編 |
| 2024年 | 儘ならない彼 美しい彼4 | BL | シリーズ最新刊 |
もちろん、この他にも珠玉の作品が多数存在します。初期のBL作品の中には、現在では新刊での入手が難しいものもありますが、近年の人気を受けて新装版として復刊されるケースも増えていますので、興味のある方はぜひ定期的に情報をチェックしてみてください。
まとめ:自分に合う凪良ゆうの読む順番を見つけよう
この記事では、凪良ゆうさんの作品を初めて手に取る入門者向けに、本屋大賞受賞作から入る方法や、おすすめの人気作、話題の映画化作品、そして輝かしい文学賞受賞歴を持つ傑作を紹介しました。
また、彼女の作品の特徴である繊細な心理描写や、BLから純文学へと広がる作風の変遷、さらには著者のプロフィール(大学・学歴に関する情報含む)やデビュー作からたどる書籍一覧まで、深く掘り下げてきました。
凪良ゆうさんの作品は、読む順番に厳格なルールはありません。どの作品から読んでも、きっと既存の価値観を揺さぶるような、特別な物語と出会えるはずです。ぜひ、まずは気になった一冊を手に取ってみてください。
- 読む順番に厳密な決まりはなく受賞作や人気作からで良い
- 『流浪の月』と『汝、星のごとく』は2度の本屋大賞受賞作
- 『美しい彼』シリーズはBL作品の代表作でメディア化も多数
- 一般文芸のデビューは2017年『神さまのビオトープ』
- “世間と相容れない人々”を繊細に描くのが作風の核
