螺旋プロジェクトの読む順番|公式推奨ルートとあらすじ解説

螺旋プロジェクトの読む順番|公式推奨ルートとあらすじ解説

おすすめの読む順番は時系列で!
各作品内容を紹介 | あらすじとおすすめポイントも
作品に隠された秘密のリンクとは?

伊坂幸太郎さんや朝井リョウさんなど、現代を代表する豪華作家陣が集結した壮大な文芸競作企画「螺旋プロジェクト」。「面白そうだけど、作品数が多くてどの順番で読めばいいの?」迷っていませんか?そもそも螺旋プロジェクトとは一体どんな企画で、各作品にはどのようなあらすじが用意されているのか、そして読者からの評判や感想も気になるところでしょう。

また、全作品に登場するという謎の隠れキャラの正体や、シリーズを最大限に楽しむためのおすすめの読み解き方、さらにはファンが待ち望む第二弾はいつ発売されるのかなど、気になるポイントは多いです。この記事は、そんなさまざまな疑問を解決し、数千年の時を超える物語の連鎖を十二分に楽しむための完全ガイドになっています。

この記事で分かること
  • 公式推奨である「時系列順」の具体的な読む順番
  • 全9作品の詳細なあらすじと見どころ、作家陣の紹介
  • 物語を繋ぐ隠れキャラの謎や第二弾に関する最新情報
目次

螺旋プロジェクトの読む順番!公式推奨ルート

画像引用元:「螺旋」プロジェクト|特設ページ|中央公論新社

まずは、この壮大な競作企画「螺旋プロジェクト」がどのようなものか、その全体像を明らかにします。そして、物語の繋がりと奥深さを最も深く味わえる公式推奨の読む順番を詳しく解説。原始の時代から遥かな未来へと続く、壮大な物語の連鎖を辿っていくための、最適なルートを解説します。

螺旋プロジェクトとは?全作品一覧(出版順)

画像引用元:「螺旋」プロジェクト|特設ページ|中央公論新社

螺旋プロジェクトとは、作家・伊坂幸太郎さんの「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」という呼びかけから始まった、8組9名の豪華作家による前代未聞の文芸競作企画です。
(伊坂作品のみ2作品)

この企画は、中央公論新社が創業130周年を記念して2016年に創刊した文芸誌『小説BOC』の創刊号から、2018年までの全10号にわたって連載されました。単なるアンソロジーとは一線を画し、参加した全作家は定期的に会議を開き、プロットを共有しながら執筆を進めました。

最年少で参加した朝井リョウさんが、伊坂さんをはじめとする先輩作家とのやり取りの中で創作のヒントを得たというエピソードも残っており、作家同士が互いに影響を与え合いながら一つの大きな物語を「共作」した、斬新で意欲的なプロジェクトです。

螺旋プロジェクトの3大ルール

画像引用元:「螺旋」プロジェクト|特設ページ|中央公論新社

このプロジェクトには、すべての作品が従うべき3つの揺るぎない基本ルールが存在します。

  1. 「海族」「山族」、2つの種族の対立構造を物語の核に据える。
  2. 全ての作品に、性別や年齢を変えて同じ「隠れキャラクター」を登場させる。
  3. 任意で登場させられる共通アイテム(例:お守り、巨大な壁など)が複数用意されている。

このルールに基づき、各作家が原始から未来までの異なる時代を舞台に物語を紡いでいます。各作品はそれ単体で完結した小説として楽しめますが、すべてを読むことで数千年にわたる壮大な歴史の裏側と、作品間に張り巡らされた巧妙なリンクが浮かび上がるという、壮大な仕掛けが施されています。

担当時代作品名作家名単行本出版年文庫化
原始ウナノハテノガタ大森兄弟2019年
古代月人壮士澤田瞳子2019年
中世・近世もののふの国天野純希2019年
明治蒼色の大地薬丸岳2019年
昭和前期コイコワレ乾ルカ2019年
昭和後期シーソーモンスター伊坂幸太郎2019年
平成死にがいを求めて生きているの朝井リョウ2019年
近未来スピンモンスター伊坂幸太郎2019年
未来天使も怪物も眠る夜吉田篤弘2019年

※『スピンモンスター』は『シーソーモンスター』に収録されています。
※全作品の文庫版は2022年10月から3ヶ月連続で刊行されました。

おすすめの読む順番は時系列で!

おすすめの読む順番は時系列で!
イメージ:エンタメMAG

結論から言うと、螺旋プロジェクトの最もおすすめな読む順番は、物語の「時系列順(出版順)」です。

ただ、各作品は独立した物語として完成されているので、好きな作家さんや気になる時代から手に取っても問題なく楽しめます。

ですが、時系列順に原始時代から未来へ向かって読み進めることで、「海族」と「山族」の対立の歴史が各時代の出来事とどのように関わり、後の世に影響を与えていったのかを、より自然に、より深く理解できます。

推奨!螺旋プロジェクト時系列読破ルート

  1. ウナノハテノガタ(原始)
  2. 月人壮士(古代)
  3. もののふの国(中世・近世)
  4. 蒼色の大地(明治)
  5. コイコワレ(昭和前期)
  6. シーソーモンスター(昭和後期)
  7. 死にがいを求めて生きているの(平成)
  8. スピンモンスター(近未来)
  9. 天使も怪物も眠る夜(未来)

※ 伊坂幸太郎作品の❽「スピンモンスター」は❻「シーソーモンスター」に収録されています。

後の時代の物語を読んでいるときに、「あの原始の時代の出来事が、数千年後のこの状況にこんな形で繋がるのか!」という発見や感動は、時系列で読んだ読者だけの楽しみです。この壮大なプロジェクトの仕掛けを最大限に味わうなら、時系列順(出版順)で読み進めることをおすすめします。

各作品内容を紹介 | あらすじとおすすめポイントも

画像引用元:伊坂幸太郎と朝井リョウが初対面! 前代未聞の作家競作企画「螺旋プロジェクト」完結までに何があった?

ここでは、おすすめの読む順番(時系列順・出版順)に、各作品がどのような物語なのか?具体的なあらすじや注目ポイントと合わせて紹介します。

1. 『ウナノハテノガタ』大森兄弟【原始】

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これは、海と山の神話。全ての対立が始まった、原始の物語。

作品内容・あらすじ
死を知らぬ海の民「イソベリ」の世界は、山の民「ヤマノベ」の少女が出現したことで一変する。彼女は生贄の儀式から逃れてきたという。代々伝わる役目を引き継ぐ海の少年と、禁忌を破り山を下りた少女。二つの種族の邂逅が、数千年にわたる対立の運命を始動させる。

おすすめポイント
壮大な螺旋プロジェクトのまさに「創世記」。後の時代まで続く「海」と「山」の対立の根源が、どこか懐かしくも新しい神話的な世界観の中で描かれる。固有名詞の少ない独特の文体が、読者を太古の世界へと誘う。全ての物語の源流となる一作。

大森兄弟
実の兄弟による作家ユニット。『小説BOC』創刊号にて本作でデビュー。純文学的な筆致で、物語の始まりである〈原始〉の世界観を見事に構築。
代表作:『ウナノハテノガタ』

出版年2019年
小説ジャンル歴史ファンタジー / 神話

2. 『月人壮士』澤田瞳子【古代】

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「全き天皇であること」―その孤独の裏に、海と山の血脈が渦巻く。

作品内容・あらすじ
756年、東大寺大仏を建立した聖武太上天皇が崩御。遺された遺詔に疑念を抱いた者たちがその真意を探るうち、謎多き先帝の孤独な横顔が浮かび上がる。国の根幹を揺るがす天皇家と藤原家の相克を背景に、「海」と「山」の血脈に引き裂かれた天皇の真実に迫る。

おすすめポイント
歴史小説の名手・澤田瞳子が、史実とフィクションを巧みに融合させた一作。聖武天皇という実在の人物を通して、「海」と「山」の対立が国家レベルの政争へと発展していく様が描かれる。歴史の教科書では語られない、天皇の人間的な苦悩に胸を打たれる。

澤田瞳子
大学院で奈良仏教史を専攻した経歴を持つ、歴史小説の名手。本作〈古代〉編では、専門知識を活かして聖武天皇の苦悩をリアルに描き出す。
代表作:『若冲』、『星落ちて、なお』

出版年2019年
小説ジャンル歴史小説

3. 『もののふの国』天野純希【中世・近世】

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この国の戦は、すべて「海」と「山」の争いだった。

作品内容・あらすじ
負け戦の果て、死を目前にした一人の武士が、謎の声に導かれ、この国を支配した「もののふ」たちの真実を知る。源平合戦、本能寺の変、幕末維新…。歴史に名を刻む全ての戦は、起こるべくして起きた「海」と「山」の代理戦争だった。千年に亘る武士の時代の系譜を描き切る。

おすすめポイント
700年以上にわたる日本の戦いの歴史を、「海と山の対立」という一本の軸で貫くという、大胆かつ壮大な着想が圧巻。歴史上の有名人物たちが次々と登場し、彼らの決断の裏に隠された宿命を知る時、歴史の見え方が一変するかもしれない。

天野純希
時代小説で小説すばる新人賞を受賞。〈中世・近世〉編では、700年もの武士の歴史を壮大なスケールで描き、物語に歴史的な奥行きを与える。
代表作:『覇王の血』、『もののふの国』

出版年2019年
小説ジャンル歴史小説 / 大河ロマン

4. 『蒼色の大地』薬丸岳【明治】

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友か、敵か。明治の激動が、幼なじみの運命を引き裂いていく。

作品内容・あらすじ
時は明治。呉鎮守府の軍人となった新太郎、瀬戸内海を根城にする海賊の灯、そして灯を探す鈴。それぞれの道を歩んでいた幼なじみの三人は、交わることのない運命に翻弄され、やがてこの国を揺るがす戦争が生む狂気の渦に巻き込まれていく。

おすすめポイント
社会派ミステリーの名手・薬丸岳が初めて挑んだ時代エンタメ巨編。近代化の波が押し寄せる時代を背景に、友情、恋慕、裏切りが交錯する人間ドラマが熱い。これまでの壮大な歴史の流れから、より個人の運命に焦点が当たっていく転換点となる作品。

薬丸岳
『天使のナイフ』で江戸川乱歩賞を受賞した社会派ミステリーの旗手。〈明治〉編では、初の時代小説に挑戦し、激動の時代を生きる人々のドラマを熱く描く。
代表作:『天使のナイフ』、『友罪』

出版年2019年
小説ジャンル時代小説 / 冒険小説

5. 『コイコワレ』乾ルカ【昭和前期】

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戦争が、憎しみ合う少女たちから大切なものを奪っていく。

作品内容・あらすじ
日本の敗色濃厚な大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した「海」の少女・清子は、山寺の「山」の少女・リツと出会う。無意識に忌み嫌い合う二人の少女。だが、戦争という巨大な対立世界は、彼女たちからかけがえのない存在を奪ってゆく。宿命に抗い、少女たちが願う未来とは。

おすすめポイント
「対立」だけでなく、その先にある「和解」や「共存」の可能性を繊細に描き出した一作。二人の少女の関係性の変化を通じて、SNS時代を生きる我々にも通じる「他者との向き合い方」を問いかける。切なくも美しい物語が胸に迫る。

乾ルカ
ホラーやミステリ、青春小説など幅広いジャンルで活躍。〈昭和前期〉編では、戦争という過酷な状況下での少女たちの繊細な心の機微を描き、多くの読者の涙を誘う。
代表作:『てふてふ荘へようこそ』、『コイコワレ』

出版年2019年
小説ジャンル歴史小説 / 青春小説

6. 『シーソーモンスター』伊坂幸太郎 【昭和後期】

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家庭内冷戦勃発!?嫁が海のスパイ、姑が山の工作員だった件。

作品内容・あらすじ
バブルに沸く昭和後期。平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻・宮子と、姑・セツによる熾烈な嫁姑バトルが繰り広げられていた。米ソ冷戦を背景に、家庭という最小単位で描かれる「海」と「山」の壮絶な争い。平凡な夫は、二人の危険な秘密に翻弄される。

おすすめポイント
壮大なテーマを「嫁姑問題」という日常に落とし込む、伊坂幸太郎の真骨頂が味わえる。コミカルな会話劇と、その裏で進行するシリアスな諜報戦のギャップがたまらない。シリーズの中でも特にエンタメ性が高く、入り口として最適な一冊でもある。

伊坂幸太郎
本プロジェクトの発起人であり、〈昭和後期〉と〈近未来〉を担当。伏線回収の巧みさとユーモア溢れる会話劇で、壮大なテーマをエンターテイメントに昇華させる。
代表作:『ゴールデンスランバー』、『マリアビートル』

出版年2019年
小説ジャンルエンタメ / ユーモアミステリー

7. 『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ【平成】

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「比べなくていい」はずの世界で、僕らはなぜこんなにも苦しいのか。

作品内容・あらすじ
植物状態のまま眠る智也と、彼に献身的に付き添う雄介。「ナンバーワンよりオンリーワン」が謳われた平成の時代に、二人の間に横たわる歪な真実とは何か。交わるはずのない人々の視点が交錯する時、目隠しをされた平成という時代の闇が露わになる。

おすすめポイント
「対立」が可視化されにくくなった時代の息苦しさと若者たちの心の葛藤を、朝井リョウならではの鋭い感性で切り取った傑作。ミステリー要素も秀逸で、終盤で明かされる真実に戦慄する。現代を生きる私たちに深く突き刺さる作品となっている。

朝井リョウ
平成生まれ初の直木賞作家として知られ、〈平成〉を担当。現代の若者の心理を鋭く描く作風で、「対立」の見えない時代の苦悩を鮮烈に描き出す。
代表作:『桐島、部活やめるってよ』、『何者』、『正欲』

出版年2019年
小説ジャンル現代小説 / ミステリー

8. 『スピンモンスター』伊坂幸太郎【近未来】

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アナログに回帰した近未来。一通の手紙が、国家の運命を揺るがす。

作品内容・あらすじ
『シーソーモンスター』に同時収録された近未来編。アナログな手紙でのやり取りが主流となった時代、配達人の水戸はある手紙をきっかけに国家的な陰謀に巻き込まれる。因縁の相手に追われる中、彼は時を超えた「運命」と対峙することになる。

おすすめポイント
昭和後期の物語『シーソーモンスター』と密接にリンクしており、二つの物語を読むことで初めて全貌が見えるという構成が見事。フェイクニュースなど現代的なテーマも織り交ぜつつ、伊坂作品らしいポジティブなメッセージが心に残る。

伊坂幸太郎
本プロジェクトの発起人であり、〈昭和後期〉と〈近未来〉を担当。伏線回収の巧みさとユーモア溢れる会話劇で、壮大なテーマをエンターテイメントに昇華させる。
代表作:『ゴールデンスランバー』、『マリアビートル』

出版年2019年
小説ジャンルSF / サスペンス

9. 『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘【未来】

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全ての対立の果てに、分断された東京で「眠り姫」が目覚める。

作品内容・あらすじ
2095年、東京は四半世紀前に建てられた〈壁〉で東西に分断され、街は不眠の都と化していた。睡眠ビジネスが隆盛を誇る中、覚醒タブレットの開発を命じられた青年は謎の美女と出会う。やがて物語は「眠り姫」の謎にたどり着き、原始から続いた対立の果てへと連なっていく。

おすすめポイント
原始から続いた数千年にわたる「海」と「山」の長い闘争が、どのような結末を迎えるのか。シリーズのフィナーレを飾るにふさわしい、幻想的で壮大な物語。全ての作品を読んできた読者だけが味わえる、深い感動がここにある。

吉田篤弘
ブックデザイナー「クラフト・エヴィング商會」としても活動。独特の幻想的な作風で、シリーズのフィナーレとなる〈未来〉編を担当し、壮大な物語を締めくくる。
代表作:『つむじ風食堂の夜』、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

出版年2019年
小説ジャンルSF / ファンタジー

作品に隠された秘密のリンクとは?

画像引用元:「螺旋」プロジェクト|特設ページ|中央公論新社

螺旋プロジェクトの大きな魅力の一つが、ルール③で定められた、作品同士を繋ぐ巧妙なリンクの存在です。特に「共通アイテム」は、物語の隠されたテーマを読み解く上で重要な役割を果たします。

例えば、シリーズを通して登場する「巨大な壁」「お守り」といったモチーフ。これらは単なる小道具ではありません。ある時代では人々を隔てる「分断」の象徴であった壁が、別の時代では人々を「守る」ための砦として描かれるなど、時代や作家の解釈によってその意味合いが変化していきます。こうしたモチーフの変遷を追うことで、読者はより深く、多層的に物語を味わうことができるので

これらのリンクは、作者から明確に説明されるわけではありません。読者が自らの力で「あの作品に出てきたアイテムが、ここではこんな意味を持つのか!」と発見する瞬間に、パズルのピースがはまるような喜びが生まれます。時系列で丁寧に読み進めることで、これらの巧妙な仕掛けに気づきやすくなるはずです。

物語を盛り上げる隠れキャラの存在

物語を盛り上げる隠れキャラの存在
イメージ:エンタメMAG

そして、プロジェクト最大の謎であり、読書体験を宝探しのように変えるのが、ルール②の「全ての作品に同じ隠れキャラクターを登場させる」という仕掛けです。

この隠れキャラは、作品によって性別、年齢、名前、そして役割も全く異なります。物語の中心で重要な役割を担うこともあれば、ほんの数行だけ登場する通行人であることも。しかし、彼(あるいは彼女)には、見分けるためのある共通の特徴が与えられています。

考察も楽しみの一つ!

全作品を読破した熱心な読者の間では、SNSやブログ上で「あの作品のこの人物こそが隠れキャラではないか?」「いや、特徴を考えるとこっちだ」といった考察合戦が日々繰り広げられています。明確な答えが示されていないからこそ、自分なりの解釈を探求する楽しみがあるのです。この考察に参加することも、螺旋プロジェクトの醍醐味と言えるでしょう。

「この人物、もしかして…?」と目を光らせながらページをめくる体験は、他の読書では味わえない特別なもの。あなたもぜひ、この壮大な謎解きに挑戦してみてください。

螺旋プロジェクトの読む順番 | さらに周辺情報を深掘り

螺旋プロジェクトの読む順番 | さらに周辺情報を深掘り
イメージ:エンタメMAG

推奨される読む順番と各作品の概要を理解したところで、さらにプロジェクトの世界に深くダイブするための情報をお届けします。実際に読んだ人たちのリアルな評判から、気になる第二弾の最新情報、そしてこの壮大なプロジェクトの発端となった伊坂幸太郎氏について、詳しく見ていきましょう。

プロジェクトの発起人・伊坂幸太郎のプロフィールや作風を紹介

伊坂幸太郎さんは、1971年千葉県生まれの小説家です。2000年に『オーデュボンの祈り』でデビューして以来、エンターテインメント性と文学性を両立させた数々の傑作を生み出し続けています。

巧みな伏線と回収、ユーモア溢れる会話劇、そして魅力的なキャラクター造形が作風の大きな特徴です。一見バラバラに見える出来事が、終盤で鮮やかに一つの線として繋がる構成力は「伊坂マジック」とも称され、多くの読者を魅了。その作風を本人は「甘じょっぱい」と表現しており、シリアスな展開の中にも希望や人の善性を感じさせるポジティブな読後感が人気です。

『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞をダブル受賞するなど受賞歴も多数。作品の多くが映画化・舞台化されており、現代日本を代表する最も人気のある作家の一人と言えるでしょう。

代表作品

  • 『アヒルと鴨のコインロッカー』
  • 『死神の精度』
  • 『ゴールデンスランバー』
  • 『マリアビートル』(映画「ブレット・トレイン」原作)
  • 『陽気なギャングが地球を回す』シリーズ

対談から紐解く「螺旋プロジェクト」誕生の舞台裏

伊坂幸太郎さんと、本プロジェクトに最年少で参加した朝井リョウさんの対談からは、この前代未聞の企画がどのように進められたか、その熱気と作家たちの葛藤が伝わってきます。
(参考:ダ・ヴィンチWeb「伊坂幸太郎と朝井リョウが初対面!『螺旋プロジェクト』完結までに何があった?」

螺旋プロジェクトの誕生背景

  • 伊坂幸太郎が実質的な発起人
    中央公論新社から「年表企画」を持ちかけられた伊坂さんが、「テーマだけではなく、構造まで揃ったアンソロジーがやりたい」と提案。「対立」という構造を共有する企画書を自ら作成し、プロジェクトの骨子を築く。
  • 作家同士の密なコミュニケーション
    参加作家8組9名は定期的に東京に集まり、会議を実施。和やかな雰囲気の中、プロット(あらすじ)の発表会や共通モチーフの話し合いが行われた。この作家同士の活発なコミュニケーションが、作品間の細かなリンクを実現。
  • テーマ「対立」への挑戦
    伊坂さんが「物語は対立で起こるものだから」と提案した共通テーマ「対立」。しかし、朝井リョウさん(平成担当)や吉田篤弘さん(未来担当)は、「自分たちの時代に対立は描きにくい」と当初深く悩んだという。この葛藤が、それぞれの作品に独自の深みを与える結果に。
  • 連載中の遊び心と挑戦
    連載第6回では、伊坂さんの発案で「夕暮れ」「『対立』についての対話」「何かがこわれる・こぼれる」「渦巻きのイメージ」という4つの要素を全作家が同じ回で描くという〝縛り〟が設けられた。このような遊び心と挑戦が、企画をより面白いものに。

対談の中で伊坂さんは「僕が旗揚げしたわけじゃないんですからね(笑)」と謙遜していますが、朝井さんが「伊坂パイセンに会えるんすかあ!?」という気持ちで参加を決めたエピソードからも、伊坂さんの存在がプロジェクトの大きな求心力であったことが伺えます。

作品の評判や読者の感想 まとめ

作品の評判や読者の感想 まとめ
イメージ:エンタメMAG

本プロジェクトは、参加作家の豪華さも相まって、発売当初から多くの読書家や書評家から高い評価を受けています。SNSやレビューサイトに寄せられた感想を分析すると、主に以下の3つの点が高く評価されていることが分かります。

1. 個々の作品の圧倒的なクオリティ

まず最も多く見られたのが、「一作ずつの小説としての完成度が非常に高い」という声です。競作企画でありながら、各作家が一切手加減なく自身の持ち味を最大限に発揮しています。そのため、「好きな作家の作品を読んだら、他の作家の作品も気になって、気づけば全作読んでいた」という声が後を絶ちません。

2. 作家ごとのテーマ解釈の多様性

「『海と山』の対立という同じテーマでも、作家によってここまで解釈が違うのか!」という驚きの声も多数寄せられています。歴史の大きな流れとして描く作家、個人の心理的な葛藤として描く作家、日常のユーモアに落とし込む作家など、そのアプローチは様々。このバリエーションの豊かさが、読者を飽きさせない大きな要因となっています。

3. シリーズを通して読む達成感と感動

そして何より、「時系列で全作を読破した時の感動は格別」「最後の作品を読み終えた時、全てのピースが繋がる感覚に鳥肌が立った」といった、シリーズ全体を通しての読書体験を絶賛する感想が目立ちます。共通の謎やリンクを探しながら読む楽しさと、全てを読み終えた時の達成感は、このプロジェクトならではのものです。

読者の感想

  • 「一作ずつのクオリティが高い。それでいて繋がっているのがすごい」
  • 「隠れキャラや共通アイテムを探すのが宝探しみたいで楽しい!」
  • 「作家ごとに『海と山』の解釈が全く違って面白い」
  • 「時系列で読んで最後の作品にたどり着いた時の感動が忘れられない」

ファン待望の第二弾はいつ発売?

ファン待望の第二弾はいつ発売?
イメージ:エンタメMAG

好評を博した本プロジェクトですが、多くのファンの声に応える形で、第二弾の始動が公式に発表されています!

発起人の伊坂幸太郎さんが続投するほか、新たに凪良ゆうさん(2020年・2023年本屋大賞受賞)、町田そのこさん(2021年本屋大賞受賞)、武田綾乃さん(『響け!ユーフォニアム』シリーズ)、月村了衛さん(日本推理作家協会賞受賞)といった、現在の文芸界を牽引する人気・実力ともにトップクラスの作家陣の参加が決定しています。

2024年現在、第二弾の具体的な発売時期やテーマ、参加作家の全容についてはまだ詳細な発表はありません。「海と山」のテーマを引き継ぐのか、全く新しいテーマになるのか、期待は膨らむばかりです。今後の続報は、中央公論新社の「螺旋プロジェクト」特設サイトなどで告知されると思われますので、ファンの方は定期的にチェックすることをおすすめします。

まとめ:螺旋プロジェクトの読む順番総まとめ

8組9名の作家が「海と山」の対立をテーマに、時代を超えて物語を紡ぐ壮大な競作企画「螺旋プロジェクト」。この記事でお伝えした最も重要なポイントを最後に振り返ります。

  • おすすめの読む順番は物語の発端から追える時系列順
  • 「海族 vs 山族」の対立を軸に全作品がゆるやかに繋がる
  • 全作品に登場する隠れキャラや共通アイテム探しも醍醐味
  • 豪華作家陣が参加する待望の第二弾も始動予定
  • まずは気になる作家や時代から手に取るのも一つの楽しみ方
  • 全作品が文庫化されており手に取りやすくなっている

螺旋プロジェクトとは、一冊ごとに独立した小説として非常に高い完成度を誇りながら、シリーズを通して読むことで、数千年にわたる壮大な歴史絵巻が完成するという、まさに前代未聞の読書体験を提供してくれます。各作品のあらすじや、実際に読んだ人たちの評判・感想を参考に、あなただけのおすすめの楽しみ方を見つけてください。この記事が、あなたが壮大な物語の螺旋へと足を踏み入れる、最高のきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人

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